内容説明
会津が降伏開城した夜、見上げた空には銀の月、無残に散った親友の美しい顔──。壮絶な籠城戦に男装で参加し生き延びた、会津藩砲術指南役の娘・山本八重は、薩長への突き上げるような憎しみに葛藤する。アメリカ帰りの牧師・新島襄と結婚した時、心に期したこととは。「幕末のジャンヌ・ダルク」と呼ばれ、時代に挑戦し続けた女性の激動の一生。2013年NHK大河ドラマの主人公・新島八重の、誇り高き会津人としての生き様をドラマティックに描ききった画期的小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきおんな
17
大河ドラマを見てから読みました。こちらの作品の方が、現実に近いのではないかと思いました。大河は少々きれいに作りすぎている感があったので、八重さんを桜に例えたドラマより橘にたとえたこの作品の方が、真実味がありました。そのため、描写が少しエグイところもありますが、会津の怒りも強く感じられます。女性としてという前に、人としてこうありたいと思う女性でした。
ラスカル
12
幕末、会津の籠城戦を戦う砲術指南役の娘、山本八重。落城して漂泊の日々の果て、兄覚馬が生きているとわかり京都へ向かう。そこでアメリカ帰りの牧師、新島襄と知り合い結婚する。新島とともに、学校運営、布教活動に力を尽くし幸せな後半生を送る新島八重の激動の人生。 昭和3年、大正天皇の第二皇子、秩父宮親王と松平容保の孫にあたる勢津子姫とのご成婚でやっと会津の汚名が返上されたと喜ぶ八重たちに、長い苦労が偲ばれる。2019/10/02
星落秋風五丈原
8
2013年の大河ドラマと異なる点は最初の夫への感情。他はそれほど新鮮味はなかった。あっさりしすぎ。2014/06/11
ぱぁる
5
大河でヒロインになってなければ、読まなかっただろう一冊。男勝りの八重。家族はとても頼もしかっただろうが、傍目には好ましくは見えなかっただろうな。しかし、綾瀬はるかの八重は無理があるよ。新島襄は、現代でもなかなかいない今時の夫。2014/04/05
007
4
「幕末のジャンヌダルク」新島八重についてサラッと軽く読むのなら◎。蜂谷涼の描く女の生き様を期待して読むのなら△。来年の大河ドラマでは綾瀬はるかです。2012/11/29