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内容説明
常に狂気に包まれた戦地や紛争地帯では、多くの都市伝説や怪談が生まれる。ウガンダ・ビクトリア湖の「死体を食べて大きくなった巨大魚」、パレスチナの「白い服を着た不死身の自爆テロ男」、カンボジアの「腹を切り裂こうとする幽霊」、ナチス・ドイツの「ユダヤ人の脂肪でつくった人間石鹸」――。これらの噂話が妙に生々しいのには理由がある。
その裏側には、往々にして、軍や政府、ゲリラ組織が隠蔽した「不都合な真実」があるからだ。海外取材経験豊かな気鋭のノンフィクションライターが「都市伝説」から解き明かす、人間の心の闇と、戦争のリアル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
33
都市伝説には、何かしらのルーツがあるものなのですね。日本だけではなく、いろいろな国の戦争にまつわる都市伝説がしれて、勉強になりました。得体の知れないことへの恐怖心が生み出す都市伝説は、万国共通なようです。2014/05/25
空猫
27
都市伝説ー古今東西ギャグの様な噂から実際に基づいた話まで枚挙にいとまがない。けれど戦場のそれは、人として一線を越えてしまった事への罪惡感から生まれるらしい。「ヒットラー生存説」はデマだろうが、9.11のユダヤ人陰謀説やメキシコから人のご遺体に麻薬を詰めて輸送は、本当にありそうだ。ナチスが収容者から抜き取った脂肪で石鹸を作った、てのはデマだそうでビックリ(子供の頃に聞いたな)「都市伝説」と聞くとチャラそうだが「戦争怪談」だと人の残酷さが底にあるので違う恐怖があった。2024/03/17
雲をみるひと
18
戦場における都市伝説集。各章が各伝説の内容を記載した本編のあとに関連する解説を補足するスタイルのため章単位で読み進められる。戦場にテーマを絞ったためか似たテーストの話が多くなっている。戦記や戦争関連のテーマに関心があることが前提の作品のようにも思える。中国が舞台な話など少し表現がセンシティブなように思えるように全般的に作者のスタイルに関する迷いが見える気がする。2021/03/18
ふろんた
14
ネタ本と思ってたが、戦争が背景にあるだけにデマであるのに流布してしまうのが、怖い。風評が流布する仕組みがなんとなくわかる。歴史的背景がもう少し掘り下げられていれば、もっと現実味を感じることができたのにとは思う。2014/02/26
坊っちゃん
8
★★★ 世界各国の戦場で語られている(らしい)都市伝説(主に幽霊話)を紹介して、どうしてそんな話が誕生したのか、戦争のバックグラウンドで解説する本。でも紹介される都市伝説に出典が無い(というのも変な話ですが)ので、解説に合わせて都合よく都市伝説を書くことも出来るよなあ、とか少しひねくれて思ったり。知っていたのはナチスがユダヤ人の死体の脂肪で石鹸を作ったという「人間石鹸伝説」ぐらいでした。オカルトとリアルな戦争話を繋ぎ合わせた変わった本でした。(コメント:2019/06/17)2019/06/15