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内容説明
「陰謀論」は日本では「一般的によく知られた事件や歴史の背後に別の策略があったとする、信憑性に乏しい説」とされる。だが元のconspiracy theoryを正しく訳せば「権力者共同謀議理論」。1963年のケネディ大統領暗殺をきっかけに、米国の民主政治が特殊な権力者たちに操られているのではないかという疑念と怒りから広まった理論である――。陰謀論者の烙印を押された著者が、陰謀論の誕生と歴史、フリーメイソンに始まる代表的陰謀論の真偽を解き明かす。日本一わかりやすい全貌究明本。
目次
第1章 陰謀論とは何か(主要な「陰謀論」は次の三つ 宇宙人、イルミナティ、ロックフェラー話をどこまで同列に扱うか ほか)
第2章 1980年代に日本で広まった陰謀論太田竜と宇野正美をめぐって(日本に陰謀論を広めた大家、宇野正美氏 宇野正美講演会・傍聴記「反ユダヤ伝道師」かく語りき ほか)
第3章 今もある「権力者共同謀議」(ウィキペディアはCIAの権力者共同謀議の産物 イルミナティ=フリーメイソンの基礎知識 ほか)
第4章 イルミナティ=フリーメイソンの歴史から分かること(イルミナティ創立初期の思想とは ヨーロッパ全土に受け入れられたイルミナティの思想 ほか)
第5章 月面着陸は有ったか、無かったか論、再び(月面着陸地点を「立ち入り禁止」にするNASA 私は「月面着陸陰謀論者」か ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
15
副島で陰謀論とは何か?だと!?w。パターン1私がなぜ陰謀論者になったかそのあれこれを説明。パターン2いや、陰謀論者と呼ぶ連中が陰謀論者なのだ!と、予想していたが、別の意味で違った(w。幻冬舎らしい企画で(何せあすこは売れば中身はさておき正義!だし)陰謀論者と呼ばれる副島にその説明をしてもらおうという形でインタビュー風味で始まる(ふしキリを彷彿とさせる最近の乱発新書的企画なのかな?)。基本俺のは陰謀論じゃない!権力者共同謀議を暴いているのだ!という趣旨で2013/03/25
sibafu
7
陰謀論の定義や具体的な陰謀説が解説されていて分かり易くもあるのだけど、著者の副島さん自身がアポロ計画の月面着陸陰謀論者であったりするし、半分対談形式なせいかわりとふざけている部分もあって、どうも信用してはいけない気がする。陰謀論者が書いた陰謀論の解説なんて、疑い始めたらどうどう巡りになるようなもので、この正しさの根底さえもない不思議感が面白くはあるが、どこまで真面目なのか本当によくわからない本だ。こうやって全てに疑心暗鬼になっていき、いつの間にか全てが陰謀に見えてきてしまうものなのかもしれない。2015/03/22
たくのみ
7
「陰謀」か、「権力者共同謀議」か。いわゆる陰謀論の「権威」副島先生の既出の主張をまるで、陳列し、ネタにしてしまう編集側の「ちょっと残念な人を見る」スタンスが、残酷なほど感じられる。だが、一方的な言いっぱなしは危険でもあり、同じ新書シリーズで、反論もあってしかるべきではないか。笑って済ませる類のもの(「アポロは月に行っていない」)と、歴史ねつ造に行きつきかねない(「ホロコーストはなかった」)論議まで、雑多なところが「触りにくい」論議だった。2013/12/06
オールド・ボリシェビク
5
著者は20世紀の終わりころまでは、研究社の英和辞典の不備を指摘したり、現代アメリカの政治思想研究などをしていて、面白く著作を読んだものだが、いつのまにか陰謀論(著者は「権力者共同謀議」という)を強く訴えるようになっていた。アポロは月に行っていないそうだ。ロックフェラー家とロスチャイルド家が世界の政治・経済を回しているという。2012年刊行の本だが、著者はいまの世界情勢をどのように見ているのだろうか。珍本だ。なぜ、買い求めたのかわからない。2023/10/13
yuui02
4
市民というのはお金持ちのこと。古代ローマではcivilisといい承認階級で、裕福な上層職人階級。ドイツ語でビュリュガーは大都市の「城外市民」と訳す。城内にすんでいるけど城外市民。西洋では城の周辺に住む都市の市民がシチズン。そのビュリュガー、シトワイヨン、シチズンたちは選挙権を持っていて、投票で貴族たちのなかから議員を選ぶ。貴族たちがお金の力で彼らの票(支持)を買うのは当たり前のことだった。やがて勃興した市民階級が貴族や坊主たちに怒り出し、フリーメイソンを結成し政治的に団結するようになったと副島氏。2016/09/23