集英社文庫<br> 家鳴り

個数:1
紙書籍版価格
¥660
  • 電子書籍
  • Reader

集英社文庫
家鳴り

  • 著者名:篠田節子【著】
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 集英社(2016/02発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087468854

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

妻が際限なく太っていく─。失業中の健志を尻目に、趣味で始めた手芸が世間の注目を集め、人気アーティストとなった治美。夫婦の関係が微妙に変化するなか、ストレスとプレッシャーで弱った妻のために健志が作り始めた料理は、次第に手が込み、その量を増やして…(「家鳴り」)。些細な出来事をきっかけに、突如として膨れ上がる暴力と恐怖を描いたホラー短篇集。表題作を含む7篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

399
7つの短篇を収録。解説の菊地秀行氏はHORRORだというけれど、これらはけっしてホラーなどではない。むしろ限界小説とでもいうべきもの。日常の中で、ある種の限界に直面した時の振る舞いを突き詰めて描いた作品群。いずれも、誰もが向き合う可能性のある現実であり、したがって他人事と傍観してはいられないものばかりだ。篠田節子氏のストーリーテラーとしての面目躍如たる力作ぞろい。冒頭に「幻の穀物危機」を置き、最後に「青らむ空のうつろのなかに」を配する短篇の配列もまた絶妙だ。「物語る」とは、こうした営為をこそいうのだろう。2018/08/23

gonta19

131
2012/9/20 Amazonより届く。 2021/5/31〜6/2 ホラー短編集。「幻の穀物危機」、「やどかり」、「操作手」、「春の便り」、「家鳴り」、「水球」、「青らむ空のうつろのなかに」の7篇。どれもある種の狂気にかられた人の話。やはり一番恐ろしいのは、人の心だなぁ。2021/06/02

タイ子

87
7編からなる短編集。ホラーと謳ってはいるが、その系統でもないような。だけど、どれもぞわりとする怖さはありま す。人間の深層心理に蠢く闇が時としてむっくりと現れる、そんな話です。母親を介護する嫁、息子が介護ロボットを使う話は遠くない将来に警鐘を鳴らすみたいで怖さより切なさがきましたね。表題の「家鳴り」は、忙しい妻の為に料理を作ることに味をしめてどんどん作る夫、それをどんどん食べ尽くす妻。結果、妻は太るけど彼女の心の中は…。人間の感情を良くも悪くも押し広げて読ませる筆致はさすがです。2019/02/08

アッシュ姉

73
読友さんのレビューに惹かれて、久々の篠田節子さん。様々な出来事から理性を失った人々の何とも言えない怖い話。ぎゅっと詰まった後味濃いめの短編7編。身勝手で軽はずみな行動から身の破滅の危機に陥る男の心理描写が見事な「やどかり」と「水球」が面白かった。一番恐ろしかったのは「幻の穀物危機」。シェスタの件は許せない。同じことが起きたら私も理性をかなぐり捨てるだろう。ちょっと気分が塞いでしまったが、「春の便り」で少し救われた。真っ白な羊ほともある犬って表現が好き。モフモフしたい。2015/07/30

mr.lupin

62
篠田節子さん初読み。7篇からなるホラー、そしてサスペンスの短編集。どの作品もゾワゾワした怖さが伝わってきた。「幻の穀物危機」は迫力があって怖かった。「やどかり」もオチは見えたものの怖さを感じた。「春の便り」は短いながらもファンタジー感で一杯だった。表題作の「家鳴り」はなるほど~、そんな展開に... この年の瀬になかなか面白い作家さんに出会えた。また篠田さんの別の作品も読んでみたい。☆☆☆☆★2019/12/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5462198
  • ご注意事項