内容説明
なぜ坂本龍馬は暗殺されたのか? なぜ尊皇派と攘夷派に分かれたのか? なぜ会津は最後まで幕府側だったのか?──幕末維新の日本で何が起こっていたのか、その真実を解き明かす!
目次
第1章 天下泰平の絶頂から衰退は始まった<br/>第2章 黒船リスクを「想定外」にした徳川官僚組織<br/>第3章 関ヶ原のリベンジと薩長土肥<br/>第4章 新撰組は警察に雇われたヤクザ<br/>第5章 坂本龍馬は会津に殺された<br/>第6章 明治維新が世界史的事件であったわけ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古古古古古米そっくりおじさん・寺
34
幕末史を8代将軍吉宗から解説。世間一般で通用している嘘知識やイメージを暴きながら進むので読み易い。以下ネタバレになるが面白かった所→「阿部正弘は八方美人」「斉彬だけじゃなく島津久光も有能」「長州は先進的」「鍋島閑叟の凄さ」「土佐郷士は優遇」「会津や新撰組の駄目なところ」「龍馬・勝・西郷の実際」「龍馬暗殺薩摩説は陰謀史観」「五稜郭の敗因は地元の職人の仕業」「勤皇も佐幕も少数派」「会津の斗南移転は一揆が怖かったから」etc…一番は「司馬遼太郎は嘘ばっかり」(笑)という事だろう。お勧めして良いと思う。2015/02/21
YOS1968
8
八幡さんの「本当は~」シリーズは面白い。幕末維新史は非常に複雑で、いつもこんがらがる人物相関もよく分かる。江戸末期の経済対策は現在の政治状況に通じると感じたし、よく言われる土佐郷士は優遇措置を受けていたことなど初めて知った。日本の近代史は、まだまだ知るべきことが多く、勉強不足を自戒した。2012/12/12
shun
6
なかなかに辛辣な調子で書かれている。歯に衣着せぬ物言いは、司〇氏や半〇氏に対しでも及ぶ。どこまで信用に足るものなのかは判断できないけれど、面白く読めました。歴史は人によって様々な解釈ができる部分があるので、いろんな本を読み比べてみるといいんでしょうね。2012/12/12
紫
5
正史肯定といいましょうか、幕府は旧弊のために滅ぶべくして滅び、維新はなすべくしてなったという視点から読み解く幕末史解説本。ところどころ首を捻るところもあるんですが、歴史が大小の出来事の積み重ねから成り立ち、どちらへ転ぶか分からない状況の中で各方面の関係者がそれぞれの立場からぎりぎりの選択を繰り返したという著者の論は説得力充分であります。こうした細々した検討を難しい!退屈!オタク知識!などといっている輩が、薩長悪玉、幕府善玉みたいな、安直で単純化された陰謀論を歓迎するのでしょうな。星4つ。2017/05/12
奇天
4
読みやすいのは長所だが、読むに足るかは相当に疑問。歴史上の人物を評するのは、限られた史料という制約があるゆえにどうしても傲慢な見方に陥りやすい。それを避ける様子も乏しく、著者の放言を垂れ流されているようにも感じる。あくまでもひとつの説として読み飛ばすにはいいけど。2012/11/16