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内容説明
本書は、はっきりと自覚しないままに用いている競争の意味を、経済学の観点から紐解いていこうとする試みです。競争論の変遷をたどりつつ、哲学的思想を参照しながら、同じ競争と訳される「コンペティション」と「エミュレーション」という二つの競争観をめぐる議論をたどります。競争という概念そのものをあらためて考えなおしてみることに、現代の競争をめぐる諸問題を解決するヒントが隠されているかもしれません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
momogaga
35
【ブックカフェ】コンペティションとエミュレーション。この二つの競争観を学ぶ事ができた。2023/11/06
ヒダン
12
競争について経済学の観点から考察する。競争には、規模の経済によって寡占市場が起こることを念頭に置いた「淘汰」(とその抑制)としてのcompetitionと覇者は追いつき追い越すための目標、模倣の対象であると考えるemulationの二種類が存在する。emulationはenvyと結び付きやすい、アダム・スミスが元々使い分けていた、こういうことにこの本の議論のきっかけがあったというのが面白い。スミスにとってcompetitionとは自然状態への引力だった。emulationは向上のために必要だが際限がない。2016/08/27
Yasomi Mori
5
近代経済学の「完全競争」概念においては、競争を耐え抜いた結果、各プレイヤーの利潤はゼロになり、新規参入も止むことで市場は均衡状態を得る。――この非現実性は、競争当事者=企業の立場ではなく、受益者=消費者の立場から見た規範論であるためだった。にも関わらず、「完全競争論は現実を反映していない!」と批判され続けており、その流れが現代経済学を形づくるまでに至っている。そのうえで本書は、近代の競争観と現代の競争観を分かつポイントが、「淘汰」の捉え方の差異にあることを指摘する。2020/01/26
Kai Kajitani
3
本書は、アダム=スミスの議論をもとにして、現代社会においては「市場競争」についての全く異なるイメージが混在していることに光を当てている。コンペティションはスタティスティックで「利益の均霑」をもたらすものである。一方、エミュレーションは「情報の伝達」を通じたダイナミックなもので、コンテスト的な側面を持つ。現代経済学の競争概念はコンペティションからエミュレーションを強調する方向に次第にシフトしてきた。それにつれて反独占政策などの基本理念も次第に変化してきている。 2018/04/26
shm
1
前半の平均費用、限界費用まではよかったけど、後半で息切れした。コンペティションは独立的、エミュレーションは進化的、くらいの理解。2014/11/30
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