フクシマの正義――「日本の変わらなさ」との闘い

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フクシマの正義――「日本の変わらなさ」との闘い

  • 著者名:開沼博【著】
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • 幻冬舎(2016/02発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344022393

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内容説明

『「フクシマ」論――原子力ムラはなぜ生まれたのか』で毎日出版文化賞を受賞し、論壇に衝撃的なデビューを果たした著者。本書は、いま最も注目される若手社会学者による待望の初評論集である。福島からの避難、瓦礫受け入れ、農産物の風評被害など、一般市民の善意が現地の人々にとっては悪意となり、正義と正義がぶつかり合う現実。そして沖縄基地問題のように、反原発運動もまた、新手の社会運動のネタとして消費されるのではないかという危惧。震災後も精力的に現地取材を続ける著者に見えてきた、「日本の変わらなさ」とは?――。3・11を経て、より深刻化した日本の病巣を浮き彫りにした、必読の論考。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨクト

20
かなりの良書。タイトル通り震災・原発について書かれているが、本書の本当に訴えかけたいものは、メディアををはじめ、社会における物事の外側からの物事の見方だ。震災での内側・外側の認識の違い、メディアの報道、知識人の立場、良識が良識とぶつかる事象。著者は震災以前から原発と向き合っていたので、震災以前以後の環境を冷静に分析している。そのうえで感じる上記の事柄への疑問と不信感が書かれている。意図的な喧嘩腰の姿勢と文体で、だからこそガツンと来るものがあった。2013/03/28

壱萬参仟縁

4
フィールドワークは大事。現場の肉声ほど信頼できるものはない。著者の痛烈な批判は、日本が変わらぬ問題の最たるものこそ原発という点(36ページ)。合点。変わる変わる詐欺(39ページ)との表現も然り。ニート一人にインタビューして論文に、というのはサンプルを増やさないと説得力のない恣意性がある(87ページ)。研究を甘く観てはならないと思える。大学の成長神話、ガラパゴス化も深刻(94ページ)。南相馬桜井市長の日本全体の問題という考えは重要(144ページ~)。原発の奴隷(212ページ)と。脱成長のラトゥーシュも想起。2013/01/18

kj54

3
同郷の作者にはシンパシーや大きな期待もある。しかし、自分が「東京の学者」から調査される「ムラビト」になってしまったことは違和感を感じる。文脈無視の言いがかりだけど、福島県民をひとまとめにして、3%しか避難していない。と繰り返しているのも違和感。「これまで水俣が歩んできた50年間が、これから福島が歩んでいく50年間だと思うんです」この言葉で全て腑に落ちた気がする。「そうか、俺は俺が『ミナマタ』と聞いたときに感じた『暗さ』の中で生きていく人なのか」 しばらく、作者の仕事は追うでしょう。すごくよい本。 2013/01/21

gontoshi

1
福島の本当の姿の見方が少し見えて来たような、気がします。2020/04/13

坂田 哲朗

1
「当事者が中央の論理ではなく、自分の論理を構築していける状況を作ることにこそ、希望がある。」当事者性ということについてすごく考えている人だと思う。「あいつが悪いという前に、自分の問題として考えていく必要があると思っています。」そうした姿勢に好感を覚えます。そうしていながら実はこの国の近代が現代に至るまで抱え続けて来た様々な物語をつづっている。2014/09/03

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