内容説明
三回忌を迎える河野裕子の原点ともいえる評論デビュー作。真正面から短歌と向き合い、身体ごと、いや魂ごとぶつかっていった渾身の軌跡。
目次
1(いのちを見つめる―母性を中心として 身体の歌 ほか)
2(桜の歌―時間と空間 桜の歌をめぐって―新古今集と万葉集)
3(母性の歌―五島美代子の歌 若き日のかなしみ―真鍋美恵子の歌 ほか)
時評(軽く薄い歌―多すぎる発表の場 面白い歌―小池光「日々の思い出」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浦和みかん
1
出産を絡めた女性の歌についての論が頭にまとまってあり、著者の関心が分かる。「批評する限りは、本気でほめ、本気でけな」す著者の真っ直ぐなエネルギーには感銘を受ける。ほか、修辞から脱力する晩年の作風を予感させるような批評もちらほら。2017/03/03
kinaba
1
著者の趣味・興味としてとにかくドロッドロの身体性があるのだなあ、と伝わる評論。ある俳句を評しての言葉の引用「短歌では七七で、なぜ~か解明せねばらならないでしょう。」が興味深い。理知的に歌の中で続きを書かなければならない詩形。2013/07/09
オールド・ボリシェビク
0
しっかりとした読み。短歌を楽しむ原点ですね。林あまりへの舌鋒が鋭くて笑った。2020/04/26