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内容説明
「今日は風が強いから電車が止まるかも…」と心配して早めに帰ろうとするが、案の定、電車は止まっている。
「いつも、この路線ばっかり!」とイライラした経験は誰しもあるはず。
一体、鉄道会社はどのようにして運休を決めているのか?
本書は、東日本大震災後、首都圏でも危惧される地震を筆頭に、ゲリラ豪雨、強風、落雷といった自然災害に対する鉄道の備えと、意外な弱点を解説。
さらには停電、火災、人身事故などの問題にも触れることで、「いつも正常に動いて当たり前」と思っていた鉄道への認識が変わる一冊。
目次
プロローグ 東日本大震災と鉄道(鉄道140年の歴史と、東日本大震災で受けた衝撃 東日本大震災の大地震による揺れの被害 ほか)
第1章 地震と鉄道(線路は案外揺れに弱い―地面に置かれるだけの基礎、崩れやすい盛土 基礎がコンクリートの線路が強いとは限らない―「耐震」「免震」「制振」 ほか)
第2章 雨と鉄道(いちばん身近な大敵―雨はなぜ鉄道に害を及ぼすのか? トンネル内の線路、変電所の冠水―ゲリラ豪雨の恐怖 ほか)
第3章 嵐と鉄道(近年なぜ鉄道がよく止まるようになったのか?―運休の原因の多くは風 「少々の風で列車は止まる」は本当か?―他の交通機関に比べれば断然強い ほか)
第4章 都市の鉄道と災害(運転見合わせ―実際の不通区間はわずかでも、広範囲に影響するのはなぜ? 国鉄時代とは様変わり―大幅な合理化と、CTCによる列車の集中管理 ほか)
第5章 人に話したくなる鉄道の災害対策(車両編 線路・施設編)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
11
電車の事故はそれほど多くは報道されていない。しかし、それは電車が事故を起こさないような構造をしているというわけではない。むしろ、危険はそこかしこにある。それがわかっているからこそ危険が事故に繋がらないように準備をしている。安全は必ず保証しなければいけないものだからこそ、危険が見えていれば電車を止めるという判断を行う。2015/10/12
Q
10
リミテッドにて。 ●地震のとき地下鉄の地下から地上へ避難すべき ●電車にのっている時に地震があったら窓際から離れよう ●風で列車が動かないことが増えた理由は風に対する基準が強化されたから ●暴風柵はまったく風を通さないとかえって危険。4割くらいの風を通した方が良い ▷豆知識が増えたかな。勉強になりました。2019/08/09
Kentaro
1
地震発生検知後の自動ブレーキシステム、自殺防止に向けた開閉口の自動調整システム、エネルギーの効率蓄電システムなどなどです。こういった技術も枯れて、小規模化すれば、家庭用に転用できる技術も多いでしょう。特に最近の人身事故影響における遅延発生理由が国鉄時代は人で対応していた折り返し運転が民営化後のリストラで実施できないといった現状を打破できる仕組み作りにも期待したいところです。2016/07/10
のぶ
1
検索の不思議シリーズ(?)、本書を探すため「風が吹くと」とアマゾるとなぜかBLものっぽい本が沢山ヒットしました。閑話休題。本書のタイトルは、安易に運休してしまう電車の情けない姿を描いてそうな印象ですが、さにあらんや、根本は鉄ちゃんの本です。風、雨、地震といった自然現象や、電力不足(これは自然災害なのかどうか微妙だけど)といった事象に対して運行の安定性を維持するために鉄道人がどんな努力を払ってるかを説明した、いわば鉄道応援本です。次は、なぜ乗客は乗継ぎ毎に跨線橋を渡らされるのかという本も書いてくれんかなあ。2013/03/25
にのや桐月
1
スケールでかいから意識しないけど、よくよく考えるとスッカスカの箱が高速移動してるという不安定な代物なのよな、鉄道列車。細心にして余裕を持った安全対策が必要であり為されている、でもどうにもならんことはある、という、新書らしく?軽い書き口で読みやすい一書かと。面白かった。2013/02/14