内容説明
序段の「つれづれなるままに、日くらし、硯にむかひて、……」から始まる『徒然草』。今からおよそ700年前に生きた作者が、『徒然草』を通して本当に伝えたかったこととは何だったのだろうか?その真意を探るべく、全二百四十三段の文章から厳選し、大胆かつ斬新な現代語訳によって、作品世界を理解し、愉しんでしまおうというのが、本書のねらい。兼好法師のメッセージの謎を解く手がかりとして注目すべき点が、彼の境遇と「つれづれ」という言葉。出家したとはいうものの、どの教団にも属さない。世を捨てながらも、生活に困らない安定収入源を確保する。悠々自適の生活を維持しながら、「つれづれ」の時間を、むしろ積極的に楽しむ。これらをひろ流に解釈すれば、自身が捨てた俗世間を、「高見の見物」と決め込んで馬鹿にしつつも、あたたかい目で眺めた人間模様を描写した、いわば観察日記なのだ。古典エッセイの醍醐味を知るためには最良の一冊。
目次
第1章 自由を楽しむ(つれづれなるままに 世間に迎合せず ほか)<br/>第2章 この世は虚仮(名声・利欲を求める愚かさ 万事、頼りにするな ほか)<br/>第3章 この世は無常(木の上で居眠りする法師 東西に急ぎ、南北に走る人 ほか)<br/>第4章 おもしろき世の中(連歌師の猫又騒動 どうせ無法をするのだから ほか)<br/>第5章 ちょっといい話(仏はいかなるものなるか 小野道風筆の『和漢朗詠集』 ほか)<br/>終章 世間を馬鹿にする精神をもて!(「つれづれ」とは何か? 世捨人になった兼好法師 ほか)
感想・レビュー
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