内容説明
ネアンデルタール人骨の発見地として有名なネアンデル渓谷は、かつて風光明媚な土地だった。模式標本となった人骨は1856年に渓谷内の「小フェルトホーファー洞窟」で発見されたという記録が残っている。その後、じつはネアンデル渓谷は19世紀の産業革命期に削平され、洞窟自体がなくなってしまった。だがついに発見から143年を経て、奇跡的に地点が特定された! 「再発見」をめぐる研究者たちの熱き物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
42
ネアンデルタール人の骨は1856年に発見された。しかしその場所、ネアンデル渓谷は石灰岩の切り出しのために削平されてしまい、その発見場所の特定は困難となってしまった。その削平の過程で捨てられた洞窟の残土などを1997年に改めて掘り返しその中から膨大な動物(人間含む)の骨や石器などを選び出す作業を行なった。そこで出てきた骨の欠片がなんと1856年のネアンデルタール人の骨の一部だった。。。。何とも凄い話である。4万5千年の時の前ではわずか110年かもしれないが人間が生きられるか時間、世代を考えるとまさに奇跡だ。2021/03/28
Ayumi Katayama
15
ドイツ西部デュッセル川沿いにあるネアンデル渓谷。ネアンデルタール人の化石が初めて発見された場所がここ「ネアンデル渓谷」である。1856年。「渓谷」はドイツ語で「タール」と言う。だが、その後の産業革命による石灰岩採掘により、その場所「小フェルトホーファー洞窟」は跡形もなく消え去る。2000年、シュミッツとティッセンは新たな人骨化石を発掘。それは1856年発掘の人骨とピッタリ接合。ティッセンが発した言葉は「信じられない!」。現在、ネアンデルタール人のDNAが私達にも受け継がれているということもわかっている。2018/07/28
月をみるもの
14
分析の成功率はわずか5%と言われていたのに、ペーヴォにサンプルわたした関係者の英断に全ホモサピは感謝すべき。2022/05/22
鐵太郎
11
ネアンデルタール人とは、発見場所であるネアンデルタール渓谷にちなんで名付けられたもの、という事だけ知っていました。1850年代のことだそうです。しかし、この渓谷が開発・資源採掘によってすっかりその姿を変え、まったく発見場所は残っていなかったとは、不勉強ながら知りませんでした。それが、正確な発見場所が、なんと1997年になって特定され、しかも150年前に発見された人骨と正確に接合する人骨が発見されたとは。 この驚くべき歴史を、この本はヴィヴィッドに、公平な視点で語ってくれます。2013/04/27
ふたば
9
教科書でおなじみのネアンデルタール人の発見はそれ自体が奇跡であった。偶然の重なりが貴重な資料を後世に残した。100年以上経って、ネアンデルタール人の研究は急速に進んだ。自分がネアンデルタール人を知ったとき、その研究は何も進んでいなかったと知った。たった20年前に奇跡的な再発見があったこと。それにはあきらめずに自説を信じ続けた研究者の熱意があったこと。素晴らしい結果となったことが嬉しい。2019/02/16




