内容説明
ミステリー界の至宝はここから誕生した。二人で一人の作家、岡嶋二人のデビュー作にして江戸川乱歩賞受賞作。東北の牧場で牧場長と競馬評論家・大友隆一が殺され、サラブレッドの母子、モンパレットとパステルが銃撃された。隆一の妻である香苗は競馬の知識は一切持っていなかったが、夫の死に疑問を抱き、次々と怪事件に襲われる。一連の事件の裏には、競馬界を揺るがす恐るべき秘密が隠されていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🐾Yoko Omoto🐾
75
第28回江戸川乱歩賞受賞作品にして岡嶋氏のデビュー作品。30年も前の作品でありながら全く時代を感じさせない、極上の謎解きミステリーである。ある競走馬をめぐって巻き起こる殺人事件。被害者の1人、大友の妻である香苗が意に反して事件に巻き込まれ、親友の芙美子と共に真相に迫っていく。次々に浮上する謎と、隠された真実に向けてのストーリー運びが絶妙。フーダニットもさることながらラストに明らかになるホワイダニットの真相は素晴らしかった。競馬がわからなくても全く問題なく楽しめる。まさに一気読みの秀作。2013/10/01
chiru
61
牧場で起きた、馬と人間が銃撃された殺人事件。競馬の知識がないため、読むのに苦労するかと心配に。でも探偵役の女性2人のうち、1人が競馬について素人設定、もう1人が説明役にまわるため大丈夫でした。考えもつかない陰謀が隠された真相には驚かされました!★42018/01/08
いわし
51
東北の牧場で、2人の男性が銃殺され、傍らには2頭のサラブレッドが倒れていた。岡嶋二人の初期作は徳山氏の知識に基づく競馬・スポーツを題材にした作品が多く、処女作である本作はまさに競走馬ミステリー。謎を推進力としてグイグイと惹き込む岡嶋二人の魅力は既に備わっていて、競馬に興味がなくても探偵役の女性コンビの会話から理解はしやすく、手に汗握るサスペンス調の展開が物語を締める。ミステリアスで印象的なタイトルは読み進めるにつれ色彩を帯びていく。ビートルズが1stから凄かったのと同じように、岡嶋二人は1作目から面白い。2021/05/03
セウテス
51
岡嶋二人氏のデビュー作にて乱歩賞受賞作です。競走馬の世界に視点をおいたミステリーなのに、特別な知識がなくてもスラスラ読めます。主人公達が事件を追って、少しずつ得て行く情報の頃合いが良く、間延びする事がありません。伏線も要所に置かれていて、成る程と思いますが、ミスリードを誘う話が本筋に関わる事が無くて、何処行った感はあります。終盤のハラハラどきどきはサスペンスを感じるほどです。トリックも誰が犯人かも、推理出来ますしちょっと驚きますが、それ以上に何故?、という動機は予想を上回る衝撃間違いなしの秀作です。2014/06/04
ピッポ
45
第28回江戸川乱歩賞を受賞した岡嶋二人のデビュー作。競馬という特殊な世界が題材ですが、特段の知識がなくとも十分楽しめる内容となっています。何気ない描写や会話の中にさりげなく手掛かりを隠し、真相を少しづつ明らかにしていく巧妙さはデビュー作とは思えない高いレベルでした。2017/11/03
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