内容説明
古い雛人形を見に来ないかと妙齢の女に誘われ――「雛の家」、山菜採りに出かけて遭難したところを山奥に一人で暮らす女に助けられ――「山の女神」、学生の私に梅仕事を教えたのは――「梅供養」、隣家の若奥さんに言い寄られ――「夜叉」。マンネリムードの妻との二人暮らし、田舎町でプチ隠居生活を送る兵頭牧衛を襲う「女難」の数々を描く七話。「ぴったりだわ」「欲しい?」淫靡な女たちはなぜ牧衛にこだわるのか……。まどろみのなかでの情交を魅惑的な筆致で描く幻想性愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
153
最近立て続けに読んでいる坂井さんの本領発揮&真骨頂ともいえるべき‘エロコワい’幻想性愛作品です。確かにエロティックな部分が主ではありますが、そんなエロさをぶっ飛ばすぐらいのホラー感がかなりクセになります。恒川さんのセクシーホラー版みたいな作りで、女性の‘コワさ’をよりリアルに引き立てています。一人の男性主人公「牧衛」を軸に7人の女性が、過去に現在にとかかわるのですが、‘コワさ’を際立たせる女性たちも、どこか不思議な儚さがあるのがなんとも言えません。そこらの下手なホラーより十分肝を冷やす羽目になりました。2015/01/14
じいじ
92
タイトル・装丁ともにエロティックですねぇ。この官能小説の作者が、先日読了したシリアスな小説『妻の終活』と同一と聞いて驚きました。さて今作、愛読している花房観音の官能小説とは一味違う読み心地です。軽めのホラー要素の7話の連作短篇で、一話一話に工夫が見られマンネリ感もなく面白いです。官能小説に不可欠の情交描写は、女性作家らしいキメ細かさで、仄かな笑いを誘うユーモアもあって好いです。女性の読み手でも抵抗感なく読めるのでは…ないだろうか? 篠田節子の解説も一読の価値があります。2020/01/13
takaC
51
「ザ・官能小説」なんて感想述べようとしててゴメンなさい。私が未熟者でした、篠田節子さん。深読みしないといけなかったのですね。いや、でも、これは刺激が強すぎではないのですか・・・2014/09/12
ココ(coco)
39
☆☆☆★面白かったです。坂井希久子さんの作品は4冊目ですが、今回はホラ-っぽい童話を読んでいるような官能小説で不思議な読後感です。主人公は仕事を辞めて故郷へ帰って来た1人の男の連作短編集ですが、山で遭難して不思議な女に助けられる【山の女神】や、子供を作る事を諦めていたが不惑の歳を目前に子宝に恵まれる【桃の香】、町内会長の家の若奥さんの悪夢の話【夜叉】等全7編お伽話の様なホラ-の様な、エロス溢れる話を堪能しました。主役の男が頼りないが憎めない所がいい味を出していました。次は【居酒屋ぜんや】を読みます。2018/04/07
cryptoryou
38
ひとりの男に次々とふりかかる、秘めやかで淫靡な恐怖譚。実際に自分に降りかかったら恐怖でしかないのかもしれないけど、主人公がちょっと羨ましい気もしたのは、ここだけの話です。2020/01/16
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