小学館文庫<br> 新宿・夏の死

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小学館文庫
新宿・夏の死

  • 著者名:船戸与一【著】
  • 価格 ¥1,001(本体¥910)
  • 小学館(2015/06発売)
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  • ISBN:9784094087482

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内容説明

闇深い街に多様にうごめく人間の情念を描く

人生の最後を息子の復讐のために使い切ろうと灼熱の新宿を疾走する老いた父親。生きて虐げられ、死んでなお見捨てられるオカマたちが誇りをかけて立ち上がったささやかな戦闘。非情な取立てを生業とする貸金業の男が夢見た現実からの脱出と、残酷な誤算。プロ棋士になる夢に破れ、ぼったくりバーを営む叔母のもとに身を寄せた青年が見聞きした欲望と純情の谷間。仲間との束の間の友情を感じつつ、消すことのできない過去に縛られ続ける元高校教師のホームレス。失踪人の捜索をするうちに、みずから抜き差しならない状況に追い込まれていく興信所勤めの元女刑事……。違法と合法、幻と現実、正気と狂気、男と女。あらゆるものが混沌と混ざり合うこの街の、喧騒の底に沈む深い闇のなかから、宿業のように生み落とされる人間のドラマ。焦げつくような真夏の新宿を舞台に繰り広げられる8編の熱い物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっぴー

49
《2018夏物フェア》第十三弾。読むのが非常にしんどい作品でした。というのも、どの話も『普通』から足を踏み外してしまった人達の物語で、パワハラで自殺した息子の復讐、オカマバーのママ、サラ金の取り立て、ホームレス、、、などなど。できれば目を背けたい世界ですが、いつなんどき仲間入りするか分かりません。ほとんどの話は救いがありませんが、ぼったくりバーの仕組みや、サラ金の取り立て方法などが詳しく書かれており、危機管理のために役にたつかもしれません。「上に政策あれば下に対策あり」がお気に入りのセリフでした。2018/08/01

GAKU

37
八つの短篇集共通点は舞台が夏の新宿という設定のみ。1話、リストラ要員として窓際に追いやられ自殺した息子の父の話。父が取った行動は。2話、新宿二丁目で社会からも家族からも虐げられながら、たくましく生きていくゲイ達。3話、ヤミ金融の取り立て屋に身を持ち崩した元銀行員。4話、右翼団体で所長の手足となり犯罪に手を染めていく若者。5話、叔母が経営する歌舞伎町のぼったくりバーで働く少年。6話、新宿に流れ着いた元高校教師のホームレス。7話、新宿の割烹で働く板前の青年とチベット出身の女性。8話、興信所勤めの元女刑事。⇒ 2024/09/24

Katsuto Yoshinaga

13
「俺の読者は目方で本を買う」と豪語する著者ならではの、2001年前後に発表された作品群からなる781ページの短編集。本書で登場する右翼活動家に「右翼も左翼もたがいに敵を見失い、ぶつかりあう根拠が消え、左翼の連中は環境問題に突っ走り、右翼は民族問題を取りあげざるをえなくなる」と大船戸は語らせている。各編のモチーフ(パワハラ、LGBT、闇金etc.)が、これまでの大船戸作品とは趣が異なる。「二十世紀への訣別の思い」と解説で大沢在昌氏が評しており、これには納得。そして、古さを感じさせない大船戸の想像力に感服。2024/07/07

9
舞台は20数年前の日本か。昔だから良かったと思いがちだが、今と変わらぬ絶望感と陰湿さ。この国はあの頃も腐っていた。著者が今を描いた作品を読んでみたいが、叶うはずもない。2020/03/12

けじ

4
いつもの船戸作品とは趣が異なる短編集。どの作品も、後味の悪すぎる結末が妙に後を引く。2013/03/30

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