メディアワークス文庫<br> R&R

個数:1
紙書籍版価格
¥649
  • 電子書籍
  • Reader

メディアワークス文庫
R&R

  • 著者名:静月遠火
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • KADOKAWA(2014/06発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784048868129
  • NDC分類:913.6

ファイル: /

内容説明

ゴールデンウイーク明けの5月7日、廻谷千瀬は久々に学校へ行こうとしていた。しかしふと気がつけば、今日は昨日過ごしたはずの5月6日だった。以来、千瀬は5月6日を繰り返すことに……。しかも、5月6日がリピートしていることに気づいているのは千瀬だけ。ほかの人たちはなにも知らず同じ日を過ごしていた。なかば自棄になりながら、何度目かもわからない今日を過ごしてた時、千瀬は新海百音に出会う。たまたま千瀬の話を聞いてくれた百音を頼りに、千瀬はこの奇怪な現象から抜け出そうとするが、百音もまた今日がリピートしていることを知らずに5月6日を繰り返していて……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

美羽と花雲のハナシ

44
切ない。苦しい。もどかしい。静月氏のデビュー作『パララバ』を思い出した。正直、『パララバ』以降の作品はどれも好きになれなかったが、この話は『パララバ』同等、いや、それ以上の面白さが詰まっている。5月6日を何十回、何百回と繰り返し、絶望に打ちひしがれ自暴自棄になった世界で、君と出会った。君は露骨に迷惑そうな顔をしたが、それでもこのリピート現象を一緒に解明してくれた。君との思い出は毎日リセットされる一方、この「好き」という感情は増すばかり。千瀬君の心情を想像すると涙が溢れる。ラストで分かる表紙の意味も切ない。2012/09/26

coco夏ko10角

28
何度も何度も繰り返す5月6日…設定で恒川光太郎さんの『秋の牢獄』を思い出したけど、あれとはまた違う面白さが。ループものは色々あるけど、その自覚がない人物視点で物語が進んでいくのは珍しい。千瀬の精神を想像すると、もう…本当にすごい。2015/12/09

十叶

26
いつまで経っても『明日』が来ない、同じ日を生きている廻谷千瀬が見つけた、新海百音という唯一無二の協力者。千瀬が廻る5月6日には、きっと諸星杏子のようにこの日じゃないとダメな理由があるはずと百音は言う。 中盤までは、私の方が参りそうでした。解決シーンは、あっという間でしたが、あまり波に乗れなかった感じ。千瀬の境遇に押し込めた感があるのが残念。もう少しその設定は早くから出して欲しかったですが、ラストは千瀬よかったね、と言ってあげたくなります。 謎の女を百音と一緒にうんうん唸って検証していく場面が好きでした。2012/11/20

椎名ゆき

22
リピートする5月6日から抜け出せなくなった千瀬。これは何回目のリピート?何回目で終わるリピート?周りは誰も繰り返していると気付かない。何をしても止まらないリピート。そんなとき現れた2つ上の先輩、百音の力を借りながら、さあ千瀬はリピートを抜け出せるのか?―――少しくどかったけど、千瀬が魅力的で引き込まれました。どんどん好きになるのに。毎回仲良くなれるのに。その記憶は自分だけなんて切なすぎる。ちょっとヤケになって行動したのも可愛い!途中のピタゴラスイッチみたいなのは伏線も含めて(おぉ!)となりました。2012/11/07

シュレディンガーのネコ・トースト装置

19
5月6日を何度でも繰り返す。新海百音の記憶がResetされ、廻谷千瀬の日常はRepeatされる。変わらない新海百音と変わる続ける廻谷千瀬の対比が面白い。新海百音は変わらずに親身に相談に乗るのに対して、廻谷千瀬は決してあきらめずに変わり続ける。ループものならではの伏線が多く張り巡らされていて、真実が明らかになるのが心地よい、と同時に、廻谷千瀬の記憶以外からはResetされてしまうのが、もどかしい。ループものの傑作。次回作に期待。2013/04/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5264929
  • ご注意事項