内容説明
帝都証券に勤める松尾周二(32)は、突然三日後の営業所の閉鎖を告げられる。一人を除いた、すべての社員の解雇。心の整理もつかないまま閉鎖処理に追われる中、真面目一本の所長が姿を消し……。夢もなく仕事も恋も中途半端、でも変わらない今日が、明日へ続くと信じてた――。迷いながらも、懸命に道を切り開く仲間たちの姿を描く、切なくて優しい大人の青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Pure
32
料理本?リストラ物語?恋愛小説?いろんな要素を詰め込み、いいお話です。しかし、文章は稚拙。ついこの前まで自殺しようとしていた人間が、死のうとする人を説得する等々、ストーリーの安易な流れがあちこちに。深みも足りずYA向けといった感じです。ただ確かに良い話なので、読んで損は無いかも。ま、美味いものを食べると元気は出そうなのは確かだね。2017/04/04
かおり
9
ありえない! そんなうまくいくか~? と思いながらも、予想通りでもいいよね、小説なんだもん♪と満足満足(^-^) あんなに美味しそうな物作ってもらえるなら···三友銀行出世頭のモテる男より中途半端な解雇男松尾を選ぶかも(^_^;)と思いながら。それくらい、やっぱり「食」は大事❗2018/11/23
yamakujira
5
突然に営業所の閉鎖を告げられて右往左往する面々をえがく群像劇。片桐所長、松尾、牛山、麗子、夏美は解雇、副所長の阿久津だけが本社に栄転。孤独に絶望したり、起死回生を信じたり、未来を憂いたり、失業を突きつけられてから、それぞれの行動を分けるのは性格だけじゃないんだな。失業を免れた阿久津さえ、決して幸せじゃない。突然の失業が他人事じゃない時代、興味深く読んだものの、やっぱり予定調和なのかぁ。他人の懐をあてにせずに、自分だけで切り開く未来を提示してほしかったな。 (★★★☆☆)2016/04/30
むー
4
話自体は面白かったものの...登場人物の作者の都合でやらされているような違和感のある言動が多く感じた。それと元バンドマンの登場人物を出したくせにバンド活動や機材に関する知識が欠如してるのか非現実的なシーンもあった。あとエピローグの蛇足感もなぁ...2016/08/13
ミヤコ
4
3日後の解雇を告げられた人たちの、それぞれ。できすぎ感はあるが、爽やかな読後感が心地よい。何より、食べ物がおいしそうで、それだけで好感が持てる。2012/08/08