ロマンポルノの時代

個数:1
紙書籍版価格
¥1,045
  • 電子書籍
  • Reader

ロマンポルノの時代

  • 著者名:寺脇研
  • 価格 ¥628(本体¥571)
  • 光文社(2012/08発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334036973
  • NDC分類:778.21

ファイル: /

内容説明

あの作品、あの監督、あの女優……。終焉から四半世紀経った今も、人々の記憶に強く残り続ける「日活ロマンポルノ」。映画評論家としてそこに深く関ってきた著者が、日本映画史上に輝いた「ロマンポルノの時代」を鮮やかに描き出す。女優のみならず、従来の評論であまり触れられてこなかった脚本家、プロデューサー、男優たち、そして80年代の名作にも目を向ける。愛とエロスの16年半、1000作品の封印を、今解く!

目次

「団地妻」シリーズの衝撃<br/>片桐夕子と女子高生もの<br/>『キネマ旬報』とロマンポルノ<br/>高評価を受けるロマンポルノ<br/>ロマンポルノとSM<br/>衝撃の後の停滞<br/>監督と脚本家の多様な組み合わせ<br/>同世代の作り手への強い共感<br/>外部参入組と若手生え抜きの切磋琢磨<br/>評論家の“ポルノ離れ”と実力派の台頭<br/>ロマンポルノの終焉<br/>ロマンポルノの男優

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

midnightbluesky

4
ロマンポルノの隆盛は周知の事実であるとしても、著者がリアルタイムで書いた批評を初めて読んだ。批評のお手本のような批評で、小難しくもなく、抽象的でもなく、著者の批評文の素晴らしさに感動してしまった。役人時代にはおおっぴらに批評活動を行えるわけでもなかったようなので、退官して初めてコアなファン以外の読者にも読めるようになったのは、それはそれでうれしい、ってロマンポルノについての感想になっていないな・・・。2012/10/07

fab4pug4

3
ロマンポルノ自体に興味があるワケではないが、世相を濃く反映しているようで、比較文化論のように読むとおもしろい。沁みたのは現代の若者がセックスで他者承認を満たすという件で、沁みたのは自分自身がそうだからに違いなく、的確だと思った。筆者の経歴を知った上で読むとそれはまた別の趣がある。2012/08/29

nadaha

1
在りし日のロマンポルノを東大卒の教育長が語る一冊。男女の恋愛とセックスは切り離せないものであり、それを含めた物語を描く場としてロマンポルノは機能していた。いわゆるAVのようなセックスそのものを即物的に映す(抜きに特化したもの)のではなく、そこに至る男女の心情や機微を丹念になぞるR18な青春映画としての役割があった。これは今日のエロゲやエロ漫画につながっている部分もあるけど、ふわふわしたプラトニック恋愛ものやセックスのみを主眼とした作品よりもリアルな恋愛と言えるとも思う。寺脇青年の感想も学術的で面白かった。2015/04/12

まさやん80

1
ロマンポルノの時代というタイトルだが、やや後期に重きを置いて語られている。それは主にロマンポルノの傑作群が前期に集中しているからでもあるのだが、寺脇さんとしてはほかにも傑作はあるぞという気もちなのだろう。作品について論じるというよりも、その作品が作られた時の、寺脇さんの心情を語るという彼の個人史的な意味合いが強く、寺脇さん本人、またロマンポルノ後期に興味がある人以外にはチトつらいものがあるだろう。僕は語られる映画のほとんどを見ているので、それなりに面白く読んだ。2013/08/10

小野島 大

1
元文部省の官僚でありながら、日活ロマンポルノの熱心な擁護者だった著者による、作品評を中心とした回顧本。神代辰巳や田中登など、ロマンポルノ前期を飾った大物監督よりも、著者と世代が近い森田芳光や中原俊といった後期の監督に強く思い入れ、頁を割いているのが類書と違う個性。私は後期ロマンポルノはほとんど見ていないので勉強になった。といっても、本書を読んで実際の映像を確認しようにも、ほとんどDVD化もされていないのが残念。2013/01/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5239822
  • ご注意事項