内容説明
「防衛省」と「自衛隊」は同一の組織である。同一の組織に二つの名前。なぜこんなことになっているのか。原因は日本の安全保障が抱える「ややこしさ」にある。でも、「ややこしい」からといって知らずには済まされない。日本軍と自衛隊はどういう関係か? 防衛庁と防衛省はどこが違う? 自衛隊の実力は? 予算四兆円超、二十三万人を抱える巨大組織の歴史、実力、課題、問題点を意外な事実、秘話を交えて解説する。
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行雲斎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
44
よく自衛隊の装備や他国と戦闘したらどうなるのかということは言われるが実際の組織はどのように運用されてるのかという組織論に触れられてるのは新鮮だった。2012/09/11
太田青磁
17
「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する」という自衛隊法。日本国の安全保障は外務省設置法に規定されています。防衛省の所掌事務は「防衛及び警備に関すること」で、自衛隊の任務は「直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる」と。旧陸海軍から海上保安庁や防衛省がどのような経緯で成り立ってきたのかが興味深い。集団的自衛権は、憲法との関連がややこしいですが、シビリアンコントロール、武器取引オフセット、報道規定などの残課題が垣間見えます。2013/07/15
ロッキーのパパ
15
防衛省そのものだけではなく、戦後日本の「軍事」政策の歴史を概説した内容になっている。民主制であろうと「軍事」を毛嫌いしちゃだめで、だからこそ一人ひとりが基本的なことを知ってほしいという著者の姿勢は納得できる。著者は、記者として長年「軍事」を担当してきただけに知識は豊富である。ただ、一冊の本としてみたら、本書はまとまりに欠けるような気がする。2012/09/30
calaf
10
もちろん、防衛省がどうのとか、その問題点がどうのとかいろいろ書いてはあるのだけど、私にとっては情報公開の重要性の一面を感じた一冊でした。最近はよく、情報公開やアカウンタビリティの必要性を説かれて、理解したつもりにはなっていたのだけど、まだまだ甘かった...という感じかも。。。2012/08/24
Humbaba
7
強い権力を持った組織は必ず腐敗する。専門性が高く外部からの監査が入りにくければ入りにくいほど、その危険性は高まってしまう。強い組織を作ることは重要だし、下手な口出しなど名ければ無いほうが良い。ただし、完全に外部からの目線を排除してしまうのは別の危険を孕んでいる。2016/09/01