内容説明
昭和二十年八月十五日、大江山捕虜収容所から、日系二世の通訳・木島が逃走した。米軍による戦犯逮捕を恐れたからだ。GHQの先兵として彼を追跡するのは、やはり日系二世のマイク・ミヤタケ軍曹。逮捕容疑は「国家反逆罪」である--。乱歩賞作家が史実をもとに描く傑作サスペンス。『祖国なき忠誠』を改題、文庫化。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すたこ
30
★★★★戦後日本が舞台。時代背景から捕虜、日系、闇市、戦犯、兵士と現代社会では聞きなれない言葉が並ぶ。戦争小説は苦手なので小難しいと思いきや、すぐに入り込めた。ストーリー展開はとても面白い。登場人物が似たような名前が多く、すぐに混乱してしまったのが難点。敗戦国というものがどんな身分なのか、どんな思いをしてたのか、少しだけ分かったような気がした2019/10/16
ひねもすのたり
10
『誘拐児』が面白かったので読んでみました。 本書の舞台は敗戦直後の日本。 戦犯容疑を恐れ捕虜収容所から逃げた日系二世の通訳。彼を追うのはやはり日系二世の米兵。 二人の視点を交錯させながら追う者と追われる者を描く追走劇は描写力の巧さもあり読ませます。 しかし、なぜ日系二世の米兵が同じ日系二世を追い詰めようとするのか?そのオチが序盤でなんとなく想像がついてしまいます。加えてこの長さであまりにも多く詰め込み過ぎているので中途半端感が否めません。せめて700頁あれば骨太な作品になりえたのではないかと思います。★32016/10/23
crazy cool joe
7
終戦直後の混乱期の話。昭和時代の映画を見ているような感じ。人物描写が上手いなあ。面白かった。2015/11/27
おっちー
4
翔田作品に共通する「異邦人の視点」と「時代の転換期」をこの作品も継承。敗戦直後のカオスの中、日系二世や在日朝鮮人の苦悩が胸に迫る。後半に展開される鶴橋駅の闇市での追跡劇は圧巻!初期黒澤映画のような熱量を感じた。2012/07/25
yamakujira
3
終戦後、GHQに所属する日系2世の軍人が、日本軍に協力した日系2世の戦犯を裏切り者として執拗に追う。アメリカでも日本でも差別された日系2世の苦悩が痛々しい。逃亡を助ける在日朝鮮人もまた差別に苦しむ。物語は数々の悲劇を加えながら、ラストはハッピーエンドなのか、さらなる不幸のはじまりなのか。単なるサスペンスとしては楽しめず、のどに小骨がささったような気分がぬぐえない。現在のヘイトスピーチなどを見ても、日本人の偏狭な島国根性が恥ずかしい。 (★★★☆☆)2014/04/02
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