内容説明
隣国のスルタンの誕生日パーティで、ジャミーラは初恋の人に再会した。少女時代から心ひそかに憧れていたシーク・サルマン――5年前にジャミーラを誘惑して純潔を奪い、残酷に別れを告げた男。彼は今も悪名高いプレイボーイとして自堕落な生活を送っているらしい。いいかげんに彼のことなど忘れようと決意したところだったのに……。目が合った瞬間、サルマンは苦痛を感じたように顔をゆがめたが、すぐにけだるげなまなざしでジャミーラの体を見下ろした。「君はあのときも美しかったが、今は成熟してあでやかな美女になった」値踏みするような態度に怒りを覚えて激しい口論になったのもつかの間、焼き印のように熱いキスでジャミーラは唇をふさがれた。■放埒にふるまう砂漠の王子が、実は意外な素顔を隠していて……。せつなくも情熱的なアラビアンナイトをお楽しみください。本作は『砂漠の国にとらわれて』の関連作で、さらに来月には隣国アル・オマールのスルタンをヒーローにした作品も刊行されます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiyuki_1717
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ヒーローがグダグダです。出だしでヒロインをことごとく傷つけたのに、再会するとすぐに手を出そうとするとは…子供時代の悲惨な経験から、人間らしさを失ったとあったが、読みながらまだまだ悲惨な体験をしてる人はいるぞー。30歳も過ぎるまでに克服する努力が感じないなぁ。と思いながら読んでたら、最後に自分で自覚したので、ホッとした。しかし王族の第二後継者なのに、女好きで、兄の居ぬ間に城でドンチャン騒ぎをして、使用人を蔑ろにするのは、ヒロインに非難されてから、謝って済むような行動ではないよね。やっぱりこのヒーロー無理だ。2015/06/08
MOMO
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サルマン君ったら腹を立てたらいいのか、同情したら良いのか判らんヒーローだったわ。最初はねぇ、理解不可能な言動を取りまくっていこともあり、不愉快極まりない兄ちゃんだと思っていたんだけど、後半判明する<過去に起きた事態>を考えるとねぇ・・・ もっとも、だからといって、彼の言動がすべて許されるわけではないわ!何より、あんなにふらふらと<欲しい・だめだ>の間で揺れまくられては、いい迷惑よ!我慢できない禁欲主義者ほど、たちの悪いものはいないわ!!あそこまで、ジャミーラちゃんを傷つける権利もないしね! 2012/09/15