内容説明
医療事情が世界最悪の国で奮闘する医師の姿
平均寿命34歳(2002年)、日本のわずか半分以下。世界で最も医療事情が悪い国、西アフリカのシエラレオネ共和国。十年以上も内戦が続き、病院の建物は壊れ、医師や看護師も国外に逃げ出している。この医療システムが崩壊した、世界で一番いのちの短い国に派遣された医師が、寝食を忘れ、力を尽くして、目の前のいのちを救っていく……。そして、その国の未来のため、帰国したあとの医療レベルが維持されることを願い、さまざまな困難を乗り越え、現地スタッフへの教育にも取り組む。「本当に意味のある国際協力」を求め続ける医師の涙と笑いの奮闘の記録。
●山本敏晴(やまもと としはる)
1965年宮城県仙台市生まれ。医師・医学博士・写真家・国際協力師。南アフリカにて人種差別問題に衝撃を受け、中学校の頃から数十か国を撮影。「本当に意味のある国際協力」について考え続ける。2000年より数々の国際協力団体に所属、アフリカや中東で医療援助活動を行う。2003年より2年間、国境なき医師団・日本理事。2004年、都庁からNPO法人の認証を受け「宇宙船地球号」を創設。「持続可能な世界」の実現を目指し、世界に目を向ける人々の育成を行う。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
23
国際協力の医師団に参加した著者が、信じられないほど過酷な国での体験を、深刻ぶらず、ユーモアを交えて語っているので、勢いづいて読み終えました。 語られている事は本当に命がけの国際協力です。 写真絵本から著作を読み始めましたが、危険地帯を歩き回る山本敏晴さんの意志が、決して軽いものではないことを実感しました。2022/02/16
にゃんた
21
世界中の人道危機の現場で活動する緊急医療援助団体国境なき医師団。シエラレオネに派遣された著者の日々を書いたものだが、報道される部分からは見えない隊員の苦労が垣間見れ、海外派遣の現実がしれた(笑ってはいけないが笑える部分もあったりする)。この方の考える国際協力のポイントである教育とその後のシステムの確率、現地の文化風習の尊重、彼らも対等の立場の人間として認識するということが実感として感じられた。資料的には若干古いがシエラレオネの現実も知ることができた。今更ながら日本に生まれた幸せを感じたのだった。2019/03/18
♡kana*
20
シエラレオネ。世界で一番、寿命が短い国。40歳ぐらいだそうな。 寿命が短いことが、悲しいことだとは思わない。ただ、他の国と比べたときに、同じような医療や教育を受けられない、食べ物や水が足りない、しかもその原因が戦争、ということは悲しい。家族や友人に対する気持ちと同じように。助け合わなければ。 【意味のある支援】にとても興味があって、読んでみました。2014/10/14
DEE
18
世界最貧国の一つであり、タイトルにもあるように平均寿命が30代と世界一短い国でもあるシエラレオネ。 そこで医師として半年を過ごした著者の、笑いあり涙あり、そしてとんでもない苦労ありの記録。 悲惨なことばかりを発信し同情とお金だけを集めるのではなく、教育を強化することで持続可能な医療を、という考えはその通りだと思う。2020/06/26
hit4papa
12
国境なき医師団としてシエラレオネ共和国に派遣された著者の半年間の活動の記録です。勇気と感動を与えてくれる・・・はずなんですが、下世話な話もあってちょっぴり笑えたりもします。肩肘はらず読めるのが良いですね。