集英社文庫<br> 宵山万華鏡

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集英社文庫
宵山万華鏡

  • 著者名:森見登美彦【著】
  • 価格 ¥440(本体¥400)
  • 集英社(2016/02発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087468458

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内容説明

祇園宵山の京都で、誘い込まれた妖しい迷宮。夏までの期間限定サークル「祇園祭司令部」に集まった学生たち。変人ぞろいの彼らが用意した大舞台、いったい何をたくらんでいるのか?(「宵山劇場」)。「祇園祭宵山法度」で現行犯逮捕。連れ去られた藤田の地獄めぐりがはじまった……(「宵山金魚」)。吃驚仰天の新世界! 6つの物語が交錯し妖しくつながっていく連作中篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

733
祇園祭の宵山を舞台に繰り広げられる幻妖の物語が6篇。巻頭の「宵山姉妹」が最も秀でているか。バレー教室や宵山の山鉾のトポスを正確に刻みながら、そこに仮初に紛れ込む非日常との交点の錯綜が上手い。しかも、妖かしの実態を明かさないところがいい。これに続く「金魚」と「劇場」は、種明かしと模造の構築であり、面白くはあっても魔的ではない。以下の「回廊」、「迷宮」、「万華鏡」は、いずれも幻想的な世界を現出させはするものの、知的な領域から踏み出せないでいる。ここは思い切って論理を超越してみせるべきところだっただろう。2019/07/18

zero1

417
森見の妄想が全開!非日常の祭りは異世界の入口。読めば頭の天窓が開く?各話が重なる連作短編集だが全部でひとつの物語ともいえる一冊。赤い風船や浴衣の女の子たちは何を意味する?ゲーテが言うように【万物はメタファー】か。バレエ教室の後、宵山見物に行く姉妹は何を見た?宵山で藤田を案内する謎の人物、乙川の狙い。バカバカしさも森見らしさ。後半のループ(後述)はまさにSF。始めと終わりがつながる点もSF。約260ページなのに奥行きを感じるのは作家の手腕が優れているから。ただし読者により賛否あり。他作品とのリンクも。2019/11/21

射手座の天使あきちゃん

360
コンコンチキチン、コンチキチン♪ 祇園囃子に心も浮かれ、浴衣に着替えて団扇を持てば、不思議の世界はすぐそこに! 帰命頂礼、南無阿弥陀仏 宵山団子に笹粽、おっといけねぇ万華鏡!! 準備万端、いざ行かん、阿呆を騙して楽しまん(笑) いつもの「もりみー」なんじゃこりゃ小説に「今回も大満足どすえ」! (^_^)v2012/08/12

扉のこちら側

307
初読。夜は短し…とはまた文体が違っているが、根底にある雰囲気には同じものを感じる。金魚をみるのがちょっと怖くなってしまう。2012/12/01

佐々陽太朗(K.Tsubota)

276
登美彦氏は子どもの頃、裏山の和尚さんとケンカをして、「実益のないことしか語ることができない」呪いをかけられたそうな。翻って私はどうか。「阿弥陀如来を頼みまいらせて念仏すべきものなり。あなかしこ、あなかしこ」というありがたい御教えをことごとく無視してきた報いか、小説などという実益の欠片もないものを果てしなく読み続けている。しかもあろうことか登美彦氏の文章がことのほかお気に入りである。それにつけても、この無益な小説を読む喜びは果たして無益なことなのだろうか。あるいは有益なことではなかろうかとも思う。 2012/07/16

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