内容説明
社内で吹き溜まりと揶揄される第二編集部から生まれた『ビッグコミック』。創刊編集長の小西湧之助は、自分たちを泥底のナマズにたとえ、いつか世の中を揺り動かす大ナマズになってやると誓う。白土三平、手塚治虫、石森章太郎、さいとう・たかを、水木しげるら人気作家を口説き落とし、青年コミックの市場を切り拓いた編集者たちの熱き奮闘の物語。
目次
第1章 目指したのは大人の鑑賞にたえる読み物雑誌<br/>第2章 編集部誕生―5人のうち3人は漫画編集未経験<br/>第3章 編集長は自称“漫画を否定していた編集者”<br/>第4章 5大作家が対抗心剥き出しで競い合う<br/>第5章 平面的な伊坂芳太良から立体的な日暮修一へ<br/>第6章 灰皿がUFOのように飛び交う編集部<br/>第7章 青年コミック誌の戦国史<br/>第8章 偉大なるマンネリ―変わらぬ編集スタイルで成功<br/>第9章 悪の要素を持ったヒーロー『ゴルゴ13』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
africo
3
ビッグコミック創刊のプロジェクトX的なものを期待していると肩透かしを食らう。初代編集長小西湧之助がアクの強いワンマン編集者であっただけに、結局は小西ヨイショ本となりかけている、のだがヨイショ本としても煮え切らない。ご高齢な事や、表に出ず黒子に徹するお考えの方らしいので、取材も難しくヨイショしきれない、というのは理解できるのだけど。当時のマンガ雑誌の状況なども、青年誌間での部数比較程度で力が入っていない。資料系として読むにもお仕事系として読むにも物足りない。なんか全体的にコレジャナイ感が漂っておりました。2012/06/30
ガミ
2
ビッグコミックに加え、その編集長の小西さんのドキュメンタリーから、彼の持つ持論が面白く、それから成る教育論が参考になりました。特に、P182の「『ビッグコミック』にはない空気をよそで一杯吸い込んで、『ビッグ』の編集部に新しい空気をどんどん吹き入れて欲しいと。」が、視野を広げることの大切さが伝わるメッセージと思えました。2012/08/09
みやぷ
2
ビッグコミックというより、編集者小西湧之助リスペクト本でした。自分が生まれる前の漫画出版事情が分かりやすかった。2012/06/20
はすみ
1
手塚を殴った編集者のエピソードは初めて知った。またその連絡を受けた小西の対応が凄かった。 しかし、手塚が死去した際の連載作品は、中断していたものを除くとビッグコミックの『グリンゴ』、『ネオ・ファウスト』『ルードヴィヒ・B』だったと記憶しているが、このラインナップは改めて氏の偉大さを表していると思う。2023/04/26
しんこい
1
漫画が害悪でマイナーだった時代に新しい雑誌を作って成功させて、という話。漫画だけじゃないところが大したもの。知らない漫画雑誌や興味が全くない世界も色々あります。2012/08/08
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