内容説明
黒船の砲声が切って落とした維新の幕。あらゆる価値観が激変する中、旗本の二男坊、久保田宗八郎と片瀬源之介の人生も激流に飲み込まれていく。武士に嫌気がさした宗八郎は芝居に出合い、狂言で生きる決心をする。一方、源之介は徳川家への忠誠心から陸軍に志願するが……。時代に翻弄される名もなき若者=あどれさんの青春と鬱屈を活写した傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark
15
徳川から薩長へと時代が大きく変わる時代、人々は翻弄されすべての価値感、考え方も変わっていかざるを得ないのか。宗八郎と源之助という2人の数奇な運命に目を見張る。何とも哀しく、切なく、それでも少し希望が見える。一方で、その時代と現代でも人々の考えや行動様式はそれほど変わってないのかなとも思わせる。2021/05/29
おMP夫人
9
同じ作者の「銀座開化おもかげ草紙」という作品が気になっていたのですが、本作がその前日譚と知りまずはこちらから読む事に。幕末を題材にした小説というと激動の只中に飛び込む主人公を想像しがちですが、この作品では一歩引いた位置から時代の波に呑まれる若者達の姿がじっくりと描かれています。早々に武士であることを捨てた宗八郎にノンポリという古い言葉を思い浮かべてしまいました。私はその世代ではないのですが、学生運動の時代を経験された方にはどことなく懐かしさを感じる小説かもしれません。長いお話ですが、テンポ良く読めました。2013/01/24
ゆずこまめ
2
時代の流れや価値観が大きく変わるときに、その渦中にいる人間が正しく判断することは難しい。新しい時代と価値観に合わせてうまく気持ちを切り替えて生きていける人間だけじゃない。2024/07/11
りんか
2
「銀座開化おもかげ草紙」に興味をひかれたのだが、その前日譚らしいということで先にこちらを読む。幕末という激動の時代を生きた、歴史を動かさない若者達の話。各々の人生に関わる出来は出来するけれど全体的には淡々とした印象。2014/08/10
あおい
1
図書館本。ドラマ西郷どんの”もすもす”に席捲されてるこのごろですが~幕末。。。あんな薩長にいいようにされ現在の日本になっちまったのでこの時代は好きではないのだけれど~シリーズ読みたいので嫌々目を通しはじめたが、、、舞台は江戸で、旗本の次男と身近な人々が主であるが、江戸庶民が黒船来航以来のすったもんだの日々で翻弄されつづけお維新を迎え、すさんだ東京となるまで。。。最後哀しい出来事があるものの、志士や西ドン龍馬や会津等々の血なまぐさいのはほぼ出てこないから安心して読了、よかった~これで続きが読める(^^)2018/05/16
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