内容説明
「季語にとらわれない」「生活実感を表す」「主観を吐露する」など、句作の心構えやテクニックを82項目にわたって紹介。俳壇を代表する俳人・金子兜太が、独自の俳句観をストレートに綴る熱意あふれる入門書。
目次
1 俳句とは(季語にこだわらない “生活実感”を表す 率直に“生活実感”を ほか)
2 作句法あれこれ(写生 描くこと・見ること 発見 ほか)
3 俳句誕生まで(俳句とは何か 唱和 問答 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
14
それまでの俳句入門が歳時記を買って季語を習い七五調で気の利いたことを詠みましょうという俳句入門書とは違い、季語はどうでもいい、「有季定形」は「約束」以上のものでもなく、「約束」は破られる為にある(そこまでは言ってないか)、「無季の句」も「自由律」ある。季語というのは長い歴史の中で磨かれてきた美意識で、特に短歌の王朝文化であるわけで、それより我々は「生活実感」重視で行きましょうというスタイルか。七五調も文語と口語の違いや古語と現代語の違いもあるから、俳句の短詩型としてのリズムは大事だけど縛られる必要もない。2019/04/24
Akito Yoshiue
3
とても勉強になった。2014/08/20
蕎麦
1
俳句を鑑賞できるようになりたいと思い手に取った。以前、金子兜太さんといとうせいこうの対談を読んだことがあり、語り口などが柔らかで庶民的で好感を持っていた。この本でもその印象は変わらず、深い日本語や和歌の知識に裏付けられた解説と、小学生の俳句なども引用するおおらかさが大変魅力的な一冊。短文で構成されており読みやすい、また読み返したい。2019/12/20
nana
1
俳句入門と銘打たれているけれども、著者がそこまで季語に拘らないところにびっくりした。俳句で主観をどのように表現するかということを解説していたところは特に興味深かった。末尾にある芭蕉と一茶についての講演が秀逸。自分は欠点のある人間に共感を覚えるタイプなので一茶派だな……。2013/06/19
とむ
0
俳句とは何か、俳句で大事にすべきことは何か、が分かりやすく解説されている。この本で学んだことで、また新たな気持ちで句を作っていきたい。2017/05/08