内容説明
ある日、萬朝報に載った『記憶に自信ある者求む』という求人広告。昔から見た物を瞬時に覚えてしまう力に長けた博一は、養父の勧めもあって募集に応じ、見事採用となった。高い給金を受け取りながら、大学教授から記憶力の訓練を受けていた博一だが、あるときから教授と全く連絡が取れなくなり、友人の高広に相談を持ちかけたところ――(表題作)。明治の世に生きる心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年の出会いをはじめ、明治の世に生きる人々の姿を人情味豊かに描いた5篇を収録した作品集。〈帝都探偵絵図〉シリーズ第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
62
1,3巻は単行本で所蔵しているのですが2巻は高校の図書館で借りたので持っていませんでした。しかも下村冨美さんの押絵&描き下ろし作品付きなので迷わず購入。人生は目先の欲に捉われて綺麗なことに気づかないこともある。それでも気持ちは通じると思って話すこと、その心によって暖められた気持ちも確かに本物だ。荒んでいる時にこのような本を読むと世界が悪くないものに見えて心が洗われます。シャーロック・ホームズがきっかけで知り合った2人と卿が微笑ましいです。読書は人を繋げる^^2012/05/26
papako
59
シリーズ2巻。今回は時系列がいろいろ。高広の義父母の出会いや、高広と礼の出会いなど。森恵の学校の話もいいな。無理くりホームズに絡めるのは相変わらず。謎の解明に至る部分はあっさりしているので、あれ?と思うと終わっている。さらっとしてるけど、それなりに楽しめます。←エラソウに!しかし、私としてはもっと礼に活躍して欲しいな。無邪気な礼が楽しいので。2018/09/15
優希
41
和製シャーロック・ホームズの香りがしました。新聞記者・礼と美形の絵師高広のコンビがいいですね。5編おさめられている中の3編は父親の物語など、まわりの人たちの話になっているので前作を読んでいないため、人間関係がちょっとわかりにくかった感じです。ですが、明治期を生きた人たちの姿が生き生きと人間味あふれて描かれているので楽しく読むことができました。ミステリーとしては難易度が低く、あまりミステリー色はないような気がするので、人間ドラマとして読むのが正解なのかもしれません。2014/08/10
眠る山猫屋
40
維新から十数年、未だ幕末を引きずる者も多い時代の変換期。あとがきにもあるように、二冊目は外伝的な要素も多いけれど・・・。『生き人形の涙』がお気に入り。あの終わり方といったら・・・。人形だって泣いちゃいます。他の作品も、みな暖かい気持ちにさせてくれる素晴らしい物語群。お勧めのシリーズです。2015/05/22
藤月はな(灯れ松明の火)
33
文庫ではちゃんとネタバレしている作品名の注意や解説に人物関係図が書かれているのが親切ですね。相手を思うが故の擦れ違いですが思いを伝えればきっと分かり合える。築き上げる友情の御話は「青春だな~」とほのぼのとしてしまいます^^「生き人形の涙」は過去を考えて恥じたり、悔むことがあってもどちらにとっても大切で幸福な時間は生まれていたのだと信じてもいいのです。「氷の女」での「幸せの順番待ち」という言葉に今回はぐっときました。2013/03/11
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