内容説明
二百以上の都市が潰滅し、九百八十万人の被災者、三十三万人の死者を出した、米軍による本土空襲。昭和二十年、瓦礫の平野に佇んだ日本人は、そこから「国のかたち」をどのように作り直したのか――。残された貴重な文献を繙き、東京、仙台、名古屋、広島、大阪などの具体例を検証。今、先人の知恵と教訓を学び取る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ななっち
1
戦後復興の都市計画については、本書にもあるとおり、あまり語られることがなく、一般書として参考になりました。東京の都市計画が非常に紆余曲折があったことは知られていますが、名古屋や広島、仙台の事例など、それぞれの成功した部分、課題も整理されていて勉強になりました。2014/02/02
onepei
1
復興という事業は、評価されるのが未来の「いつか」だからむずかしいと思う。 本としての感想は、なんだか味気ない本だった。2012/06/19
オブ犬
0
太平洋戦争の空襲による戦災からどのように復興を成し遂げたかを都市ごとに追う一冊。中心となった人物の思いなどの証言を交えて描写されていて、読み物としての面白さもあります。この戦災を災い転じて福となすと捉え、今後の車社会を見越して100メートルもの広い道路を通すなど大胆な計画を立てるも、予算などの理由で現実的な形に終わってしまったのは、残念なのか結果的にそれで良かったのか。各種公共ギャンブルが復興予算捻出の裏技だったというのは驚きだった。2014/04/05