内容説明
少壮の日本人女性研究者が、ハーバード大学で日本史を大人気講座に変貌させた。歴史の授業に映画作りや「タイムトラベル」などの斬新な手法を導入。著者の熱に感化され、学生たちはいつしか「レディ・サムライ」の世界にのめり込んでいく──。「日本史は書き換えられなければならない」という強い使命感のもと東部の有名大学に乗り込み、「思い出に残る教授」賞にも選ばれた著者が記す「若き歴史学者のアメリカ」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
346
ハーバード白熱教室のマイケル・サンデル教授とは正反対のハンディ―女性である、若い、アジア人種、英語が母国語ではない、テニュア付きの教授ではない―を背負った著者が、ハーバードの教壇で大活躍する回顧録(とは言っても彼女は若干32歳なのだが)。第1章は、著者がハーバードの教員になるまでを描くが、これがまさしく疾風怒濤。小説ならリアリティがないと言われそうなほど。また、授業ではこれまで閑古鳥だったマップ・コレクションやメディアスタジオを駆使して、それこそ縦横無尽。読んで楽しく、刺激的。お薦めの良書。2012/06/09
月讀命
132
ハーバード大学で日本史の講義があることにまず驚いた。外国人学生が、縁もゆかりもない極東の偏狭な日本の歴史を学んで何か+になるのかとも思うが・・・。外国人が異国で日本料理店を出店して、変な寿司ネタを商品化している事が嫌な様に、外国人教師が間違った日本史や日本思想を教えている事実も嫌である。彼女の様な新鋭な日本人が、異国でエリートに対し日本史講義を行い、Lady Samurai新しい視点で日本史を教え、考えさせることは、グローバル化する社会にとって有意義であり、日本国にとっても賞賛されるべき事であると思う。2013/04/29
Miyoshi Hirotaka
70
米国の1/25の国土、その7割が山で資源もない最貧国でもおかしくない国が、最強国の清、露、米欧と戦い、白人の植民地が一掃された。敗戦でインフラはズタズタ、指導者も冤罪裁判で殺され職を追われ、多額の賠償金も背負わされたが、今度は一発も撃たずに20~30年で世界経済のトップクラスに参戦。気がつけば世界最長寿国。漫画、アニメ、ゲームはハリウッドの規模を超えた。欧州のどの王室よりも長い国号と皇室を保有。普通の神経ならこんな国怖くて関わりたくない。歴史そのものが白熱教室。「お・も・て・な・し」に加え「日・本・史」2013/11/27
しょーた
64
ハーバードで熱狂させる日本史の奥深さを具体的に知りたかったのだが、自分が求めていた教養としての内容はほとんど無く、新書として期待外れだったのが率直な感想。この本との向き合い方は、彼女の持つエネルギッシュさを感じ、独自の授業スタイルから生まれた成功体験を共有し、自分を奮い立たせる、という読み方なら満足できると思う。ハーバードで新たな授業スタイルを創造できるのだから、タイトルも二番煎じなものでは無く、内容とタイトルが一致する的を得たものにしてもらいたかった。日本史の中身をメインにした本を是非書いてもらいたい。2014/03/10
ルピナスさん
57
【国際女性デー読書会】元々理系学部専攻の作者が、縁あって日本史の道へ。ハーバード大学で大人気講座に変貌させた。日本人なら、歴史上の人物を男性も女性も様々な切り口で見ることがある。けれど、外国から日本の歴史を見ると、分かりやすさのためにある一定のキーワードを元にアプローチされる。その一つがサムライ。強さの伝説だけで語られるのが日本史?サムライと同じ精神でその時代を生き自らの役割を担っていた女性達がいた事も知って欲しい。自らの問題提起に学生達を巻き込み、ユニークで勢いある授業を展開。素敵な女性の一言に尽きる。2022/03/13
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