ちくま新書<br> 円のゆくえを問いなおす ――実証的・歴史的にみた日本経済

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ちくま新書
円のゆくえを問いなおす ――実証的・歴史的にみた日本経済

  • 著者名:片岡剛士【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 筑摩書房(2015/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480066633

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内容説明

世界経済は不安定になるなか、私たちに最も大きな影響を及ぼしているのが円高・円安という円相場の動きである。円高は目前のメリット/デメリットに目がいきがちだが、デフレと経済成長率の低下という「失われた20年」の根幹をなす問題が横たわっている。円のゆくえを主軸に、日本経済の過去・現在・未来を総括する。

目次

第1章 円の暴騰と日本経済(「時系列」でみた深刻な円高 「国際的な視点」でみた深刻な円高 ほか)
第2章 円高の原因は何か(為替レートとは何か 為替レートの3つの指標 ほか)
第3章 為替と経済政策を問いなおす―金本位制から固定相場制へ(経済政策における3つの手段 経済安定化政策と為替レートの関係 ほか)
第4章 為替と経済政策を問いなおす―変動相場制以降(円高シンドローム 「強い円が望ましい」という呪縛 ほか)
第5章 デフレと円高を止めるために何をすべきか(円高や円安は自然現象ではない 金融政策とは何か ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

28
円高・円安は自然現象ではなく人為的なもの。金本位制から固定相場制を経て変動相場制に移行したが、ドルに対して自国通貨を安定させる政策は、固定相場制の延長とほぼ同じ。全世界に影響したアジア通貨危機は自国通貨売り、ドル買いの連鎖で生じた。一方で、変動相場制に移行した後も為替レートは貿易不均衡を是正するための強制変数として使用された。これにより、金融政策とインフレ率で内生的に決まるべき為替レートが、制約条件になり、金融政策の自由度を下げた。円高、デフレという長期の経済停滞は誤った理論が誤った政策を誘導したものだ。2017/01/18

さきん

18
欧州危機、ウォール街デモなど、世界経済は不安定になっている。そうしたなか私たちに最も大きな影響を及ぼしているのが円高・円安という円相場の動きである。円高は「輸出関連企業への打撃がある」「輸入品や外貨建て資産を安く買える」など、目前のメリット/デメリットに目がいきがちだ。しかし、その大本にはデフレと経済成長率の低下という、日本経済の「失われた20年」の根幹をなす問題が横たわっている。本書は、円のゆくえを主軸に、日本経済の過去・現在・未来を、緻密な分析から大胆に総括する。2016/06/23

onasu

9
円高〜為替レートの決定を主題に、デフレや財政赤字といった一連の事項を捉え、処方箋としての金融政策を提案しています。  為替レートは、長期では物価上昇率、短期では名目金利と予想物価上昇率の内外差によって決まる。論旨は明解で、長短双方にある物価上昇率、つまりデフレ、あるいはデフレマインドを解消しなければ、円安へ導くことができない。そのために現行の金融対策では、不十分、且つ見当違いである。  政府、日銀の、充分なる金融政策を実施しない背景は、何なのでしょう?  ちょい難しめでしたが、図表も多い好著だと思います。2012/10/02

壱萬弐仟縁

7
著者の癖は、「いうなれば」というフレーズかな。何度か出てくるんで。難解にして専門的な用語や概念を、丁寧に、話し言葉で説明されている。随所にまとめもあるので、なんとか理解できる構成。国際金融の三重苦とは、国際資本移動の自由化、為替レートの安定化、独立した金融政策(086頁)。図表4-9は非正規雇用率と物価上昇率の推移を示す折れ線、棒グラフ(170頁)で今のアベノミクスを考えると、両方増えるのでは、と思われる。正規もクビにできるようにするなんてことだから。スタグフレーションの犠牲者は、なおも現場の底辺の人だ。2013/04/03

Humbaba

6
通貨は一国だけで成り立っているものではなくて、他国とつながりながら存在しているものである。そのため、数字を見る際には自国の情報だけでなく、多くの国の情報を多面的に評価する必要がある。そうやって視点を増やすことで、今まで見落としていたkな形勢などにも自然と目が向けられる様になるだろう。2016/10/10

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