内容説明
一問一答形式による俳句指南書。俳句の常識、初心者が抱く素朴な疑問を明解に解説。また中級者が陥りやすい俳句実作の技法についても、やさしく解説する。俳壇屈指の人気と実力をもつ著者が綴る俳句上達講座。
目次
1 季語・季題(季語の考えかた 季語の実際 ほか)
2 何を詠むか(多様な俳句の世界 自分でなければできない俳句 ほか)
3 どう表現するか(「写す」ということ 「写生」と「説明」 ほか)
4 文体・文法(俳句の文体 俳句の文法 ほか)
5 句作のために(俳句の読み方 解釈・鑑賞のむずかしい句 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
14
伝統俳句の禁止事項について、理論派である岸本尚毅が論理的に説明しているのだが、伝統俳句をやる人にはいいかもしれないが、ひとつひとつのギモンがアホらしくて、結社とかの先輩はそうやって後輩を苛めるのかと思った。俳句のベテランにはわかるが初心者にはわからない掟みたいなもの。それはセンスなのだが、禁じ手でやってはいけないということもなくて、むしろ禁じ手を犯してこそ、AIではない人間の句が出来るのだと思う。ここにある質問は言葉は固定したものという固定観念があるのだ。そんなもんAIに任せておけ。2023/07/23
はるゆき
2
「さしいれて手足つめたき花野かな 赤尾兜子」について、「この句が分かりにくいのは、それが俳句の形をしているからではありません。発想そのものが尋常ではないからです」とあり、納得するしかなかった。著者が句会で話していた内容が、いくつも出てきた。こういう意図だったのか、と思う部分が多かった。2017/04/14
Cell 44
2
『岸本尚毅の俳句一問一答』(NHK出版)の新装版。小林恭二の句会の本で著者に興味が出たので読んでみた。思えばこういう実作に即しての割と専門的な本を読むのは初めてかもしれない。季重なりはタブーというけど「大原や蝶の出て舞ふ朧月 丈草」(蝶も朧月も春の季語)とか好きなんだけどなあとか、切れ字が二つあるのがタブーというのも尤もだけど「降る雪や明治は遠くなりにけり 草田男」とかはどうなるんだろうとか、兼ねてから疑問だったものが氷解して良かった。2014/08/10
凛
0
とっても分かりやすかったです。あと3回は読みたいです。スランプに陥った時はまずこの本に戻ろうと思います。電子で読みましたが手元に置いておきたいです。2019/08/17