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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
86
いまキノコの本がマイブーム。図書館で見かけたので一気読み。この本はキノコが自然界のなかでいかに大事な役割を果たしているかを食や環境、災害などの関わりがわかりやすく書かれている。特に放射性物質とキノコの関係や震災で被災し消えてしまったマツ林のことは興味深く読むことができた。たかがキノコと言えど松茸やトリュフのように高級品もあればドクツルタケやカエンタケのように食べればほぼ確実に命取りになるものまで種類は様々でまだ未知のものもあるようだ。キノコ好きの方は一読をおすすめします。2019/11/10
壱萬参仟縁
26
糸状細胞の菌類が地球上現れた詳細は不明のようである(12頁)。菌類の生活法は、寄生―腐生―共生―寄生というような逆三角形構造(19頁)。毒キノコの見分け方も、なかなか素人にはわからない(30頁~)。キノコ食べる動物は、シカやイノシシに実験して彼らに犠牲になってもらう以外ないのだろうか?(34頁) 中山間地域の学術としては、民俗学、史学のみならず、こうした細菌学や先ほどみた発酵学のような学問も重要であろう。2014/01/23
とく たま
12
キノコの生態だけにとどまらず樹木との共生の重要性、人間倫理・地球環境への危惧・危急へと思いを致す。人類への警告にも聞こえる。人類にとって菌類は重要なファクターである。小川眞先生に続く研究者が育ってほしいと心底思う。キノコが愛らしく感じてくる。子実態という目に見えるものでなく自然に共生する菌糸たちにだよ!落ち葉を拾い土をめくりたくなってきた。キ~ノコの子・・♪ ('◇')ゞ2017/04/29
mawaji
11
キノコと放射性セシウム137濃縮の問題はやはり原発のあり方を考えさせられます。故郷の砂防林は大丈夫だろうか、キンダケはまだ採れるのだろうかと心配になりました。キノコと共生の論考を読みながらコロナ後の生活のあり方にも思いを馳せました。キノコの教えとは…地球環境問題に関するかぎり、われわれ一人一人が加害者であり、被害者でもあると同時に責任があることを忘れてはならない。「科学は善、進歩は正義」とする思考パターンには、明らかに疑問の余地がある。行き過ぎを是正する科学を育て、「共生の哲学」を広める必要があるだろう。2020/05/24
Humbaba
8
どのようなキノコが毒キノコで,どのようなキノコが食用になるのか.それを見分ける簡単な方法はない.また,キノコは周囲の養分を集める性質があるため,生育環境によっては本来独ではないものが毒になりかねない.自然のキノコを食べる際には,十分な知識を持ってから臨むべきであり,聞きかじりの知識で挑戦すれば手痛いしっぺ返しを食らうことになるだろう.2012/05/22