内容説明
『論語』はすばらしく、そして凄味のある本だ。性善説や性悪説のような「決めつけ」をせず、あるがままに人間性を見、聞き手にすべてを任せる。そこには相手を説得する支配欲とは無縁の、本当に生一本(きいっぽん)の素直な人物である孔子像が浮かび上がってくる。『論語』は「遠くに住む友人がやってくる。楽しいではないか」という生活の実感に溢れ、身近なものなのだ。読み易く、分かり易い、『論語』本の決定版!
目次
余力(親を養うということ 社会生活をきちんとしていれば教養は自ずからつく)
改心(寒風吹きすさぶ中に立つ決意 友だちになろうと思われる人間になれ 自分より劣った者を友にする人は成長しない 過ちを改めた清水幾太郎の態度 過ちを改めた者に対する非難の論法)
距離(友と付き合う二つの態度 媚びる恭しさは辱められる 媚びる態度は利己主義から出てくる)
待つ(人生とは八割以上が待つことである 昼行灯で終わる覚悟 人の危うさを知り、信用できる者を見分ける力)
評価(最終的に世間は自分を見てくれる 偽善のメッキは必ず剥げる 欠点を匿そうとするところに偽善が生じる)〔ほか〕