内容説明
ドイツ参謀本部は、原因・結果の連鎖が明快で、後世の教訓になりやすい。近代的大組織の原型であり、今日の「頭脳(シンク・)集団(タンク)」の先駆的形態をなし、「リーダー」と「スタッフ」のバランスにこそ、組織が輝く秘訣があることを教えてくれる。重宝な歴史の鑑であるのだ。リーダー不在のいまこそ、日本は史上最強の「組織集団」に学ぶべきだ!
目次
第1章 近代組織の鑑 ドイツ参謀本部―フリードリッヒ大王が制限戦争時代に残した遺産(「教訓の宝庫」としてのドイツ参謀本部 ヨーロッパの陸戦史、四つの時代区分 ほか)
第2章 かくて「頭脳集団」は誕生した―ナポレオンを挫折させたプロイセン参謀本部の実力(プロイセン軍の動脈硬化 「最高戦争会議」の創設 ほか)
第3章 哲学こそが、勝敗を決める―世界史を変えたクラウゼヴィッツの天才的洞察(改革思想の余燼1―ボイエン ボイエンの理想と相反する現実 ほか)
第4章 名参謀・モルトケの時代―「無敵ドイツ」を創りあげた男の秘密とは何か(騎士的心情の国王・ヴィルヘルム一世の登場 文学的素養と文学者的外見を持った軍人 ほか)
第5章 「ドイツの悲劇」は、なぜ起きたか―ドイツ参謀本部が内包した“唯一の欠点”(リーダーなきスタッフの悲劇 シュリーフェン・プラン ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
にかの
2
クラウゼヴィッツやモルトケなど、耳にすることはあっても具体的に何をしたのかを知らない人は多いと思います。この本はそういった歴史の表舞台になかなか出てこないような方々に焦点をあて、素人でもわかりやすいように仕立てた本です。その意義はとても大きいと個人的には感じており、また参謀本部という日の当たらぬ存在について考察を加えているところも非常に興味深い。ドイツを知る上で、あくまで入門編としてとても良い一冊といえるでしょう。2012/06/01
jack
0
本文も大変すばらしい。そして巻末の、秦さんとの確執についての反論も興味深かった。☆4.52014/01/02
buriki
0
ミリ系には全く興味がなく、世界史はほとんど学んだ覚えがないが、③の古事記から先に読んでいたのでこの本が気になった。時代を下りつつ、キーパーソンをあげつつ、出来事を織り込みつつでわかりやすかった。これを読んでから「軍靴のバルツァー」を読んで、「ドイツ参謀本部に書いてあったやつだ」と知識がリンクして密かにうれしかった。2013/05/14
くらぴい
0
ドイツの軍隊組織の中枢に位置し、官僚的強靭さは他国の類をみないものでした。ナチス時代親衛隊が国防軍を凌駕してました。
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