内容説明
1995年1月17日。巨大地震が阪神・淡路を襲った。神戸の街は壊滅し、多くの人が命を落とした。神戸新聞の記者だった西岡研介と松本創は、自身も被災者となりながら、取材をこなす。だが、二人が打ちのめされたのは、強烈な無力感だった。そして、2011年3月11日、東日本大震災が発生。「震災から逃げた」「何も学べなかった」――。悔恨を胸に抱いた二人の記者が、東北の被災地に向き合う。
目次
序章 神戸からはじまった
第1章 海辺の町をさまよう心―宮城県名取市
第2章 何もなくなった町から―岩手県陸前高田市
第3章 原発に奪われた故郷―福島県双葉郡楢葉町
第4章 東北の怒りに向き合う
第5章 被災地取材500キロメートルの記録
終章 1・17の神戸へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Youhei Takatsu
1
阪神大震災と東日本大震災の被災地取材。今思い返しても想像を絶する大災害でした。特に東日本大震災はまだまだ完全な復興には至っておらず、2019年10月の台風による河川氾濫によってまたも大被害。そして首都や西日本からの東北へ対する偏見はいまだにあるという悲しい事実。国会議員などさえ東北を卑下する言葉が時々発せられとても悲しく思います。東北学についても学んでみたいと感じました。2019/10/25
おちおち
0
ひとことで言い表せません。絆だとか繋がりだとか空疎なそれではなく、縁。縁が動かすものはあたたかい。2015/03/07
タカラ~ム
0
東日本大震災が日本に残したものは何か。これから長い年月が過ぎたときに、きっとそういう議論が巻き起こるだろう。今、東日本大震災に襲われたこの国で問われるのは、あの1.17阪神・淡路大震災の経験がどれだけ今回の地震に活かされていたのかということ。本書はその答えを示しているわけではないが、その提起の役割を果たしているのだとは思う。2012/07/06
komomo
0
最後の詩。。。2012/05/19