内容説明
本はなぜ必要か。どうすればもっと「伝わる」のか。強靱でしなやかな知性は、どのような読書から生まれるのか――。ブログ「内田樹の研究室」と、各媒体への寄稿記事より、「読書」と「表現」に関するものを厳選、大幅に加筆・改訂。21世紀とその先の生き抜くための、滋味たっぷり、笑って学べる読書エッセイ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
88
大事なのは「宛て先」の存在、と。_φ(・_・2017/02/15
マエダ
81
内田樹さんによる書物について、書くことについて書かれ、主題は’言葉が伝わるとはどういうことか’だという。なかなかのボリュームであった。2017/10/30
SOHSA
60
《図書館本》『街場の文体論』に続き読了。多くの点で腑に落ちた。そういった意味ではまさにリーダブルな一冊であったと思う。なぜこれほどまでに腑に落ちるのだろうか。多々腑に落ちることが腑に落ちない、とは言わないが。筆者が本書の中で述べていることは決して平易ではない。むしろ難解な箇所は多くある。それにも関わらず、辛抱強く噛み含めていると、いつの間にかストンと腑に落ちる感覚に包まれる。それはおそらく筆者の目指しているところであり、かつ成功しているところなのだろう。図書館本ではあるが、購入して手元に置いておきたい。2017/05/19
マエダ
57
内田樹さんが「書物」について、「書くこと」についてのエッセイ集、自身が好きな著者がどのような本を読んでいて、どのような思いを抱いているのか。それだけでも読む価値があると感じる。2024/05/07
壱萬参仟縁
41
福沢諭吉という人はなかなかに気性の激しい人で、とにかく不合理なものが嫌い、威張るやつが嫌い、性根の卑しいやつが嫌いで、ばりばり怒ってばかりいる。しかし、だからといって人を低くし自分を高くするというところがないのがまことに爽やかである(46頁)。学問というのは、生成的なプロセス。あらゆる学問は、学問を自作した個人の夢を宿している(79頁)。学術論文を書くときの心構えは、贈り物を選ぶ基準と同じ(278頁)。古典とは、それが書かれるまで、そのようなものを読みたいと思っている読者がいなかった書物(394頁)。 2014/07/12