内容説明
自分のことを「吾輩」と呼ぶ、金城武似のホスト・タケシは、実は吸血鬼。彼は、歌舞伎町のバッティングセンターで美女の復讐屋・雪美に会ってから、彼女の片棒を担がされている。二人のもとを、常識外れの依頼者が次々やってきては無理難題をふっかけていく。無欲で律義で人間臭い“吸血鬼”は、体当たりで使命を全うしようとするが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
69
読みにくかった!だいたいなんで吸血鬼って『吾輩』キャラなんですかね。吾輩キャラが読みにくくて、楽しさ半減。そしてラストのオチでタケシの正体がわかると、余計になんで『吾輩』?って思っちゃいました。オチ、あんまりすっきりしなかった。これで続編ってどう書くの?って気になるから、次も見つけたら読んでみます。2020/06/14
佐々陽太朗(K.Tsubota)
69
吸血鬼と雪女と弁護士と貧乏神が登場する物語。そして吸血鬼はホストで、劇団員で、おしゃれカフェの店長で、お抱え運転士である。雪女は元キャバ嬢で、現在は復讐屋さんで、そのうえ震えがくるほどの美女である。弁護士は同時に占い師であり元兵士でもある。貧乏神はドレッドヘアーのレゲエ男で破壊神である。新宿歌舞伎町にはいたるところに不幸が落ちている。そしてその不幸は自転車のサドル理論で回っている。ハチャメチャと混沌がいつかひとつの物語に収束する。そして結末の驚き。楽しみました。眉間のしわがとれましたよ。2012/11/14
mr.lupin
54
木下さんらしい非常に読み易かった作品。スピード感もありサクサク読めたが最後のオチが微妙な感じかな。木下作品はドタバタとどんでん返しをツイツイ期待してしまう。まあ今回の作品は可もなく不可も無くといったところかな。☆☆☆★★2019/06/16
さっとん
52
木下さんならではの軽快なテンポでサクサク読めます。 主人公のタケシが古風な吸血鬼という突飛な設定ですが脇を固めるキャラが濃すぎてタケシが一番まともに思えます(笑) 続編の「天使と魔物のラストディナー」を先に読んでいたのでタケシが吸血鬼だということに全く違和感を感じなかったのですが、オチを読んでそういうことかーと思いました。 オチについては賛否ある(否の方が多い?)ようですが、続編を先に読んだ自分としては案外しっくりきました。2020/09/01
ヤジマ
33
主観点 6.8/10 主人公は吸血鬼、ヒロインは雪女。バッティングセンターを愛してやまない彼らは、復讐屋という少々物騒な稼業で日々を凌ぐ。最後の小説家の一件は、真相から真犯人まで意外性に富んでいたので、この話をクローズアップして欲しかったなと思う。そして意外過ぎる着地点。これは好みが分かれると思うが、正直自分はあまり好きではない。木下さん特有の軽快なタッチは健在。良くいえば軽妙、悪くいえば軽い。登場人物のほぼ全員が個性的で読み口は漫画のよう。木下さんのストックを全消化してしまったので、近日中に仕入れねば。2022/05/22