内容説明
「ビニール袋集団自殺」。無関係の人たちが、ビニール袋をかぶり、睡眠薬で集団自殺、しかも見つかりやすいようにドアを開けておく…。連続するこの自殺の裏には、ある大学教授が運営するサイトの存在があった。事件を追う、東日新聞社会部の有名キャップ市川と、若手記者長妻は、スクープ合戦の中、何度も“抜かれ”ながら独自の取材ルートで真実を追う。自殺サイトはなぜ立ち上げられたのか? 東京、新潟、米国etc. 事件の裏にある虚実とは? 報道の最前線を描くエンターテインメント小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
99
新聞社勤務が長かった、堂場さんならではの作品。記事を追い詰める緊迫感がたまりません。それと同時にちょっとした「間」を描くのもお上手で、それぞれの記者の人間臭さも垣間見られました。キーウェストが登場したのには、面喰いましたが。(ご自分が取材兼ねて行ってみたかっただけなんじゃないの?みたいな、笑)長妻と7年越しの彼女が、ちゃんと結ばれますように。続編お願いします~。2014/06/01
さっとん
59
新聞社を舞台にした作品を読むたびに新聞記者って大変な仕事だなぁと感じます。 中でもこの作品は記者たちの葛藤や焦りなど様々な感情がリアルに描かれていてとても臨場感がありました。 長妻の甘い部分にはちょいちょいイラッときますが、ラストには自分の足りなかった部分と向き合い前を向く感じだったのが良かったのでこのまま続編を書いてほしいです。2019/10/23
のんのん
50
読友さんの感想を読んで 飛びついた一冊。新聞記者経験のある堂場氏が書いた新聞記者の物語。中盤以降グイグイと引き込まれ様々な思いを巡らせながら読了した。彼女の手料理を秋田で食べることはできたかな?2014/06/06
ちょこまーぶる
46
考えさせられた一冊でした。上山教授の思想に納得してしまったり、記者二人の考え方に同感したり・・・。それにしても、新聞社の描写が素晴らしく、他紙との競争や特ダネを得るまでの若い記者の心の葛藤は読んでいてワクワクしました。そして、記者市川の若い記者に対する言動が好きですね。2012/12/12
TAKA
33
新聞記者として迷い、焦り、恐ろしいほどのエゴ、プレッシャーとの戦い。個々の自己クソ集団としか思えない。さすが元新聞記者だけリアリティーがある。自殺云々はこういうやり方もあるんだと、絶対はないと、そういう意見もあると、白黒つけられる問題ではないんだろうな。2017/04/06