家族の衰退が招く未来 「将来の安心」と「経済成長」は取り戻せるか

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家族の衰退が招く未来 「将来の安心」と「経済成長」は取り戻せるか

  • ISBN:9784492395691

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内容説明

日本経済が停滞する真因は、高度成長期につくられたモデルから離れられないことにある。それは、経済モデルだけでなく、家族モデルにもあてはまる。
年金、医療、雇用、結婚などの右肩上がりの時代につくられた「戦後家族モデル」を前提とした数々の制度への不信によって、多くの将来不安が生みだされ、結果、経済の大停滞を招いている。
これらの将来不安を解消するように制度を見直すことによって、日本は再び成長することができる。家族社会学と経済学の視点か、様々な統計やデータを用いて、日本の過去、現在、未来の姿を読み解き、危機を回避するための処方箋を示す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

onasu

5
経済学と社会学のコラボで、これまでの家庭と経済の関わりを踏まえ、将来を予想する。おもしろい試みで、関心する点も多いのですが、何か読み進まない。言うなら、まどろっこしい記述が要因でしょう。  経済的に発展したにも関わらず、閉塞感の漂う現在の世相。豊かになったが故の帰結なのか。改善する手立てはないのか。  経済学、社会学に限らず、世の進展は、あらゆる分野で実用的な施策に、単一の学問では事足りなくなくなっています。その意味で、コラボでの処方箋は有用で、今後、色んなコラボを期待します。2012/07/14

Kentaro

3
未婚化が起こる中で急増しているのが、中年未婚者のパラサイト家族です。中年パラサイト・シングルの男性は、結婚している男性と比較して収入が低かったり、雇用が不安定な非正規社員や成長が見込めない自営業や農家の後継ぎという人が多い傾向にあります。収入が安定していないから、結婚相手に選ばれにくく、独立もできないのでやむを得ず親と同居しているのです。一方、女性の場合は未婚女性の半数近くは正社員ではありません。安定収入の男性との結婚を願って親元に同居していたのですが、結婚できずに結果的に齢を重ねるケースが多いようです。2018/10/18

カツ丼

3
家族と経済をリンクさせた内容。20年前に元気に活動していたパラサイトシングルの消費活動が失われた20年ともに低下した。ギリシャ、イタリア、スペインもパラサイトシングル文化があるという。恐ろしい一致だ。2012/12/03

まゆまゆ

2
結婚については、経済(損得勘定)と社会(意識)の双方を考慮しなければいけないとの主張には納得。全体として平易に説明しようとしているが、それによって少しくどく感じてしまう。今後20年くらいで需要が供給を上回るから、そうなると若者の所得が増え結婚、出産も増える、という予測はほんとかな‥2012/06/06

steve

2
以前にパラサイトシングルという言葉で、親元でぬくぬくと暮らしながら自分の収入を贅沢に使うことが出来る結婚しない若者を取り上げた著者。時代は変わり、今は収入面から、”結婚しない”から”結婚できない”ため、親元から離れられなくなっている。この変化については考えさせられる。共著者である経済学者の日本の未来予測は、短期スパーンは楽観的であるが、以後はこれからの国の舵の取り方次第というとこか。未来予測に関する説明は仮説を積み上げて進めているが、繰り返しが多く読んでいて疲れる。2012/05/19

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