田中慎弥の掌劇場

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田中慎弥の掌劇場

  • 著者名:田中慎弥
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 毎日新聞出版(2012/11発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620107790

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内容説明

第146回芥川賞受賞後初の小説集にして著者初の掌篇集。1600字の読み切りで展開される37篇は、〈生老病死〉〈結婚・離婚〉〈殺人・自死〉など日常に潜む狂気をも描く、怖ろしく、あり得なく、しかも美しい田中ワールド。あとがきには著者自身の告白もあり、フィクションの醍醐味に満ちた一冊!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けい

69
田中さんが非常に短い文章で展開する様々物語、筆者らしくちょっと斜に構えた感じが楽しめました。あくの強さ、ブラックの度合いも様々。読みやすい文章ですが、発想の幅広さ、面白さが際立っていました。田中慎弥さんの文章を気軽に読んでみたい方にはおすすめの一冊。気軽に楽しめました。2014/02/21

そうたそ

39
★★☆☆☆ 新聞に連載されていた掌編を一冊にまとめたもの。ひとつが四ページほどなのでちょっとした時間に読むのにちょうど良い。掌編ってつくづく難しいものだと思う。本作に関して言えば、短い中に田中慎弥さんの思考が凝縮されていたり、あるいは時事ネタをちょっといじったようなものがあったりとまあ様々なのだが、個人的な印象として言えば作品として完結していないと思ったのもいくつか。田中さんの遊び心のようなものを感じられた作品もありその面では面白かったが、やっぱり田中さんの作品ってちょっと難しいとは思う。2016/06/12

Tui

29
副鼻腔炎をこじらせてしまい、本の感想も滞りがちなこの頃(現実逃避のため読書は止まず)。おでこから上顎にかけて一升餅が入っているかのような重鈍い頭痛と微熱に悩まされているのですが、この本の読後感にも似ているなと。そんな初めての田中慎弥本。一掌篇が3ページ前後という短さ。新聞掲載なので、かなり穏やかに抑えている印象を受けます。それでも時折ちらりと顔を覗かせる湿り気を帯びた狂気は、この作者の闇を伺わせます。次は長編も読んでみたいですね。お気に入りの一篇は『うどんにしよう』。突如現れる‘○の○○’は一体誰のだ⁈2015/05/04

itica

25
短い文章の中にきちんとその世界を作り上げている。やはり、この人の文章は真っ当だ。その真っ当な文章で、有りそうで無さそうな日常が淡々と綴られてゆく。皮肉に苦笑したり、ホラーっぽい話に背筋をゾクゾクさせたり、まだまだ田中慎弥さんの頭の中には色んな物語が詰まっていそうだ。2012/05/26

kiyuan

18
僕にとって読書とは娯楽。 純文学よりは大衆小説を好むが、 芥川賞の会見を見て以来、西村賢太や田中慎弥も読むようになった。 田中慎弥はこれで3冊目である。 タイトル通り、短い話であるがこれが実に面白い。 突然アタッシュケースを渡されたり、存在しない地番があったり。 なぜか冷凍庫に手首が入っていたりもする。 悪魔と酒を酌み交わすと思えば、龍馬や石原都知事まで登場したりと、 手を替え品を替え次々と繰り出される物語に一喜一憂する。 僕にとって掌劇場は、まさに笑劇場であった。2012/06/14

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