角川ソフィア文庫<br> 昭和短歌の精神史

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角川ソフィア文庫
昭和短歌の精神史

  • 著者名:三枝昂之【著者】
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  • KADOKAWA(2013/11発売)
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  • ISBN:9784044054045

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内容説明

斎藤茂吉、窪田空穂、釈迢空、佐々木信綱――。戦中・戦後の占領期を生き抜いた歌人たちの暮らしや想いを、当時の新聞や雑誌、歌集に戻り再現。その内面と時代の空気や閉塞感を浮き彫りにする革新的短歌史。

目次

第1部(花ひらく自由律 発端―老父は門べに旗ふりてをり 歌人たちの国民歌 分水嶺(1)紀元二千六百年奉祝歌集
分水嶺(2)大日本歌人協会解散事件
分水嶺(3)『新風十人』
戦時下の青春
満州という幻想)
第2部(国難来る、国難は来る―歌人たちの大東亜戦争 還るうつつは想はねど―学徒たちの戦争 幾世し積まば国は栄えむ―歌人たちの敗戦 草よ繁るな―短歌の中の沖縄戦 海山の嘆き―歌人たちの八月十五日 彼等皆死せるにあらず―悲歌と慟哭 斎藤茂吉日記「八月十四日ヲ忘ル丶ナカレ」考)
第3部(歌誌の戦後史 検閲、もう一つの戦争―占領期文化1 戦犯、短歌の昭和二十一年―占領期文化2 第二芸術論―占領期文化(3)
傍観という良心―戦後短歌(1)近藤芳美
生れたければ生れてみよ―戦後短歌(2)宮柊二
液化するピアノ―前衛短歌・塚本邦雄
占領が終わった日
終わりなき八月―竹山広の戦後六十年)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

浅香山三郎

13
500頁以上ある労作。戦前・戦中・戦後の短歌をありのままに示し、当時の人々の心性に迫らうといふもの。斎藤茂吉、窪田空穂、近藤芳美、そして塚本邦雄等の軸になる代表的歌人らを追ひながら、満州・学徒出陣・沖縄戦・長崎原爆といふ事と場に纏はる「無名」の人々の歌をも取り上げてゐるのがよい。 残念な点。戦後の戦争協力者を糾弾する人々の矛盾を批判するのは良いとしても、戦中の時局迎合的な歌を「只只其儘当時としては当たり前だつた」以上の意味付けをしないと、皮相な批判になつてしまふ気がした。位置づけてはあるのだらうが、2018/01/03

すずき

3
まず、本書は昭和短歌と銘打ってはいるが、その記述が取り扱うのは占領期の終わりまでである。最近読んだ大澤真幸の昭和というのは30年代くらいまでしか昭和と記載されなくて、あとは大体西暦を使って論じられるという記述を思い出す。 かねてより名作と言われるだけある。虚心坦懐に戦前戦後双方のイデオロギーを排して「精神史」の記述に徹するのは、出版当時最も求められていた戦時中の作品を批評する態度なのだろう(当時知らんけど)。 2019/05/12

Ucchy

0
十五年戦争から占領期にかけての短歌の歴史かつ短歌から見た昭和史。社会の動きに反応する歌は市井が同時代をどのように見ていたのかをよく表していて興味深い。戦時中は戦意高揚の歌を作った歌人が戦争協力者として批判される件は答えのない問題だと思った。また、文学としての短歌が、第二芸術論で退勢に陥り、さらには内部からの批判的な動きとして前衛短歌が生まれてくるなど(このへん第一次大戦後のクラシック音楽とも似ていると思った)、短歌発展史としても面白い。昭和史を軸にいろいろな歌人に触れることができて良かった。2017/08/08

はちめ

0
大変な労作であり敬意を表するが、掲載されている短歌には一定のバイアスがかかっている。厭戦的又は反戦的な短歌は丁寧に除かれている。当時の日本人がどのように感じ、それをどのように詠ったのかについては菅野匡夫氏の「短歌で読む昭和感情史」(平凡社新書)の方が優れている。2017/07/09

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