内容説明
天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず――。多くの人がそらんじることができる惹句だが、それに続く言葉をご存知だろうか。福沢諭吉がその言葉に賭したのは人間の平等ではなく、見識と行動力を備えた「個人の自立」だった。明治維新という未曾有の転換期に書かれた、危機の時代の心得を学ぶ。NHK放送で大好評を博したテキスト2011年度シリーズを単行本化!本文、詳細な注釈に加え、番組4回で放送されたゲストとの対論、読書案内などを新たに収載した完全保存版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴリゴリさん
7
明治維新直後の日本は脆弱であり危機的な時代における「学問のすすめ」であり、平和な時代の「学問のすすめ」ではない。民が無気力な原因は、封建社会によるお上への従属意識である。昔はお上がすべてを仕切っていたため、お上の意向を考えずに目立つことをすると、叩かれるという考えが習い性になって、「何もしないのが一番いい」という精神風土が出来上がった。日本人は今でも物事の判断を人任せにするという傾向がある。お上への盲従から脱脂、それぞれが独立自尊(識見+行動)で生きていくべき。今できることからやって、とにかく前にすすめ 2023/11/12
1.3manen
7
実学は大事。独立自尊も人に頼らない生き方として大事。「国家と国民は対等であるべきだ」(042頁~)。現代こそ問われる部分。国家権力が国民生活を監視する時代になっているためだ。本邦初の発明家、諭吉先生は、乳母車、社交クラブ、留学生受け入れ、授業料制度、新聞の天気予報、伝染病研究所(世界基金の基礎か)、自由・社会・会社・権利・借方貸方・汽車・版権・討論・改良・不都合・迷惑・背広の用語の普及(066頁)。2013/05/23
猫柳
5
明治時代という危機的な状況の中で人民の心も不安定だった日本に一筋の光を与えてくれた本を解説してくれている本作だが、概要を知りたい人にピッタリ。日本は生まれ変わるためにバッサリ過去を捨て欧米各国の考えをそのまま取り入れたが、日本のよかった部分は切り捨てず誇りに思うことが出来たら、帝国主義に異を唱えることができたのではないかという考えはまさにその通りだと思う。冷静に物事を捉えるために識見が必要であり、さらに考えて実行する力が大切だという福沢諭吉の考えにも通ずる。2023/10/04
そらまき咲
5
元気を出していきましょう!2021/04/29
Yukimasa
5
「識見と行動力」が心に残った。そして今、自分に足りないのは識見であり、もっと読書をして色々なことを学ぼうと思いました。2013/06/15
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