内容説明
一九四五年、沖縄。戦闘で瀕死の重傷を負った日本兵が、地元の人々によって、避難民キャンプに匿われた。米軍には沖縄県人と偽り、新たにできた小学校の教師として彼は暮らし始める。だが敗戦、そして占領と、時代に翻弄される波乱の人生が待ち受けていた――知られざる沖縄と日本兵の交流を描き出す感動の実話!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koba
36
★★★★☆2013/02/16
Willie the Wildcat
31
口に出さなくても分かり合える・・・。痛みを知る者同士の配慮。無私の言動が心を繋ぐ。(悲しいきっかけだったが)学校再開で、皆の心が1つになる過程が印象的。ハイライトは無論「運動会」!正に、勝者も敗者もない。一方、果たせなかった照子と新垣先生との再会。特に、新垣先生、両親とのそれぞれのスジ。1つスジを通すことが、別のスジを通すことを阻む・・・。康男の苦渋の決断は計り知れない。戦争の遺す心の傷の1つといえばそれまでだが、哀しいものだ・・・。2014/05/18
かいゆう
23
プロローグは、小学校の合同運動会から始まる。昭和二十年十月下旬⁉︎沖縄で⁉︎避難民キャンプに小学校⁉︎運動会なんてできる状況だったの⁉︎沖縄戦に関する本を2冊ほど読んだ後だけに、冒頭から驚かされました。米兵の呼びかけに両手を挙げて出で行き、避難民キャンプに入った方たちの生活の様子を初めて知りましたが、米兵に捕まるくらいなら…と集団自決された方々が思い浮かび、改めて何でこんな事でたくさんの命が亡くならなきゃならなかったんだろうと思いました。2015/08/13
馨
8
読んでよかったです。沖縄戦の話は数多くありますがこんな兵士がいたことは全然知りませんでした。 どの話を聞いても悲惨すぎる沖縄戦、当時を生き抜いた人たち、闘った人たちの経験した辛さ、恐怖は計り知れません。 沖縄守備隊の日本軍を悪く言う文献も多いですが私は作者のように日本軍の若い兵士たちも政府に操られ命を奪われた一国民に過ぎず本当に日本のことを純粋に守りたいと思っていた方々だったと思います。2013/03/23
荒川ながれ
6
2012.3.20 新潮社 上質のノンフィクションだ。プロローグとエピローグの構成がよい。沖縄戦に従軍した父親についてジャーナリストの著者が書かざるを得なかったオマージュ。占守島から沖縄に転属され、壮絶な戦争体験、アメリカ占領地のキャンプで先生となる。士官学校の優秀な人材はやめることのできないシステムを作った。非戦への信念。映画のエンドロールなら「FOR MY FATHER」とあってもよいかな。 祖父は1879年(明治12年)父・康男は1923年(大正12年)生まれ、著者は1942年(昭和17年)生まれ2019/11/23
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