内容説明
東日本大震災から1年。東北の人々は、いま何を思うのか。日々の新聞には書ききれなかったあふれる思いを鎮魂の気持ちを込めて、10人の記者が綴る渾身のリポート。東北の復興が一歩でも進むことを願って。
目次
第1章 原発事故、放射能との闘い(警戒区域の内側 自殺、人口流出、風評被害「見えぬ」恐怖に苛まれて 除染作業で生活が取り戻せるか 痛みの共有は可能か)
第2章 大津波検証、そして未来へ(「命の記憶」をとどめる―大川小学校の悲劇 大防潮堤の町、田老の苦闘 地図のない町)
第3章 復興への歩み(遠野発災害ボランティア 2人の吉里吉里人 集団移転、交わらない選択)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
gissy
1
震災後からこの出来事にまつわる本を何冊か読んできました。読後の気持ちをいつも無力感や歯痒さ、理不尽さ、悲しさなどと挙げてみるのですが、自分の気持ちをうまく説明できない、形の捉えられない感情が胸の中に渦巻きます。それでも、「あの時何があっのか」「これからをどうするのか」「今、どんな課題に向かってすすむのか」などは、知ろうと思います。2012/06/12
YayoiM
0
朝日新聞社の記者さんたちが、震災直後からの取材活動を振り返ったオムニバス集で、出版が震災から1年後なので記憶も新しく臨場感がある。被災地にボランティアに行く人間のエゴや、人の不幸を取材する立場につきまとう後ろめたさ、一時の危機を乗り越えたあと住民間に広がるエゴや恨みというマイナス面も勿論書かれているが、鮮やかに苦境を乗り切っていく教育者の話も印象深い。結局、普段の人間性がそのまま表れるだけなんだなーと分かる。新聞記事コラムの集まりのようなものなので非常に読みやすい。2013/08/10
1.3manen
0
本著を読むと、足の匂いがすごかったという避難所のことが自分のことであったら、耐えられるかとまず思う(34ページ)。他人との共同生活のプライバシーの無さには本当に同情ではすまされない。また、野菜農家の人の首つり自殺で遺書は無しの人(58ページ)。酪農家の人も「原発さえなければ」と残して、自殺していった(60ページ)。教師の判断ミスで、山に逃げた方がよかったが、校庭に逃げて呑みこまれた(144ページ)。ページが進むにつれて、切なさが倍増した。時間が経ったといっても、原発はまだ収束していないし、大変には違わぬ。2012/10/16
gitta
0
三浦何某氏の文章から立ちのぼる自己顕示欲みたいなものにうんざりした。それ以外は新聞記者の視点で読むものに考えさせるものであっただけに…。2012/03/31
evergreen
0
図書館2018/12/15




