小学館文庫<br> 小説・震災後

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小学館文庫
小説・震災後

  • 著者名:福井晴敏【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 小学館(2012/07発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094087048

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内容説明

人気作家が挑む、3.11以降の世界

『亡国のイージス』『終戦のローレライ』の作者、5年振りの現代長編!
未来を見失ったすべての人たちに贈る、傷ついた魂たちの再生と挑戦の旅路。

2011年3月11日、東日本大震災発生。
多くの日本人がそうであるように、平凡なサラリーマン・野田圭介の人生もまた一変した。

原発事故、錯綜するデマ、希望を失い心の闇に囚われてゆく子供たち。
そして、世間を震撼させる「ある事件」が、震災後の日本に総括を迫るかのごとく野田一家に降りかかる。

「どうだっていいよ。仮に原発がなくなったって、どうせろくな未来はないんだ」

「被災地の人たちには悪いけど、ここだけは無事に済みますようにって、本気で祈ってる自分が情けなくて……」

「道筋だけ示しておいてやれ。目指すべきものが示されれば、放っておいても子供たちは歩き出す」

傷ついた魂たちに再生の道はあるか。

祖父・父・息子の三世代が紡ぐ「未来」についての物語――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gonta19

108
2012/3/10 Amazonより届く。 2017/9/22〜9/26 タイトル通り、2011年3月11日に起こった大震災後の話。あれから6年経ったが、これまで我が国が辿ってきた道はどうなんだろうか、と考えさせられる内容。福井作品はどれも現状打破をしなければ、という熱い気概を感じるが、本作はテーマが身近なだけに差し迫るものも多い。夢を語る大人はカッコ悪い、というような風潮はいつからなんだろうか。それで、若者に夢を持て、将来を考えて行動しろ、なんてとても言えないよな。石破茂氏の解説も素晴らしい。頭良いわ2017/09/27

アクビちゃん

61
【図書館】あの頃の、出来事や空気感が細かく書かれていて、ノンフィクションかと思う程。震災により、大人たちを信じられなくなり、未来に希望を見い出せなくなった中学男子と、その家族の再生物語り。主人公 野田と同じ中学男子の親として気持ちは分かる。でも、同じ親だからこそ、オタオタして肝が据わってない野田に嫌悪感すら感じてしまった。あの時、私は家なんて器はどうでも良くて、子ども達さえ元気に育てられるなら、宇宙の果まででも連れていく覚悟が出来ていたよ。解説は石破茂氏ってのが凄い。そして、思わず笑ってしまった。2022/03/18

マーム

48
東日本大震災そしてその後の自分の体験と重ね合わせることでより実感を持って読むことができる作品。あの大惨事は過去のことではなく、今現在の、そして未来に関わる出来事。さすがに福井氏、実際には被災したとは言えない東京多摩地区に住む一家族にスポットライトを当て、あの日の爪痕が日本国民に「闇」となって巣くっているのだということを描き出してくれました。「人間は結果を生きているわけじゃない。いつだって過程を生きているんだ。」という言葉が印象的。太陽発電衛星(SSPS)の可能性に賭けてみたい気がします。明るい希望として。2012/04/13

姉勤

33
実際の東日本震災をベースにしつつ、紡がれる福井節(もしくは富野節)。 生き残りたい者の絶望からの生還、一足先に往く者からの託される遺産、 対立者の否定しきれない、正義。 福井作品のテーマは不変。臭いけど、泣ける。 主人公の名字が野田なのは、連載当時に、時期首相を予見したのか?と思ったら 渥美が出てきて、福井作品のお馴染みの「ダイス」だったと気付いた、迂闊。 ファンサービスもいいが、(富野)セリフのオマージュはチョットうるさい。 それが判るのも、自分でもどうかと思うが。2013/04/05

ちばと~る

33
あの震災から1年。震災の総括というか復習のために読んでみました。都内のため中小企業のサラリーマン野田はあの日、客先のビルで被災。多摩の自宅までタクシーと徒歩で帰宅する。年老いた父は元警視庁から防衛省へ出向していた謎の経歴の持主。震災後の福島原発事故事故の処置に一枚噛んでいるらしい…明るい未来を閉ざされたと悲観する中2の息子がとんでもない事件を~オヤジさんの熱いメッセージに心打たれ涙!!戦災や公害、バブル崩壊、色々苦難はあっても先人達は頑張ってくれたんだなとシミジミ…映画『日本沈没』を貶す場面がありますが~2012/03/17

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