四字熟語の中国史

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四字熟語の中国史

  • 著者名:富谷至
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 岩波書店(2012/02発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004313526

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内容説明

「温故知新」「風林火山」「臥薪嘗胆」「蛍雪之功」―どこかで目にしたことのある四字熟語の背景には、どんな歴史や思想があったのだろうか。
『論語』や『司記』、諸子百家の思想等に登場する四つの漢字を“窓”として、古代中国を遠望する。
漢字文化圏の基礎にある言葉や考え方が、紆余曲折を経て、遠い時代や場所へと伝わる筋道が見えてくる。
「温故知新」「風林火山」「臥薪嘗胆」「蛍雪之功」──どこかで目にしたことのある四字熟語の背景には、どんな歴史や思想があったのだろうか。『論語』や『史記』、諸子百家の思想に登場する四つの漢字を〈窓〉として古代中国を遠望すると、紆余曲折を経て、遠い時代や場所へと言葉や考え方が伝わる筋道が見えてくる。

目次

1 聖人を語った言葉―孔子と『論語』(温故知新―なぜ「温」が「たずねる」なのか;韋編三絶―書写材料の変遷;盗泉之水―「正名」それとも「潔癖」 ほか)
2 諸子百家の興宴―春秋戦国時代の思想(守株矛盾―韓非子の儒教批判;宋襄之仁―宋の人はなぜ笑われるのか ほか)
3 太史公の歴史がたり―『史記』の世界(酒池肉林―「暴虐なる王」の背景;臥薪嘗胆―語り物と熟語の完成 ほか)
4 転換する時代と四字熟語―古代の終焉(乱世姦雄―曹操の墓をめぐって;親魏倭王―称号が語る日中交渉 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

19
四字熟語が生まれた背景が主かなと思ったら、その四字熟語が時代によってプラスの意にとられるときもあれば、実を取れよ実をって、マイナスでバカにするため使われることもあるということを前提に、解釈の変遷も含めて説明しており面白かった。(例、盗泉之水)…夜討ちを主張する島津や源氏に「そんな野蛮なこと(ry」ってガン無視する悪左府様や三成みたいなモンか。他にも風林火山の「静かなること林のごとし」は元は「徐か」であって、徐行の意であり「ゆったり整然と隊列を組んで進むこと」であり、じっとしてろじゃないそうな。面白かった。2019/08/18

壱萬弐仟縁

18
一生懸命勉強することを「照蛍映雪」というのは知らなかった(ⅴ頁)。蛍雪の功(185頁にも)は既知。孔子は学習の学で、読書に比重をおいていたとも解釈できるという(11頁)。読書学? かも。この先生の本は、確か、慶應通信のレポートで木簡、竹簡の話があって、東洋史概説Ⅰで書いた覚えがある。14頁で想起できた。まだ紙のない頃。何に書けば記録が残るか。当時の人間にとっての課題だったのだ。司馬遷は酒池肉林を贅沢三昧という抽象的に扱っている(106頁)。肉は牛肉であったと(114頁)。著者は楽しいと思えた著作物と吐露。2014/01/20

tom

15
冨谷至の連続読み。今回は4字熟語の出自についての調査結果。中島敦の名人伝とリンクさせた不射の射の項など、とても興味深い。巻末の4字熟語の背景についての解説も面白い。要約したら、古代中国では漢字をどれだけ知っているかが、官僚になるための基本。そして、古典をどれだけ理解しているかが肝要。縦横無尽に使いこなせるかを試すため、科挙の最終試験では漢詩を作るテストがあった・・。この本を読んでいて、改めて古代中国は大変な世界だったのだと思ったわけです。2019/11/18

遊未

6
四字熟語の解説ではなく、解釈の変遷。そして、「読書人」層は一般人とは別。現代中国の人々は中国から生まれた四字熟語ってどれくらい知っているのだろうか?「乱世姦雄」以降の考古学関連のお話が大変興味深く読めました。2023/08/23

in medio tutissimus ibis.

3
四字熟語はその典籍を知らないと意味が分からない。なぜならば、その出所での文脈と強く結びついているがゆえに、その字義とは全く関係にない意味が付与されている事があるからだ。そしてそれが理解できるという事が、読書人たる教養、士大夫たる支配力の証明だったのである。この、俺のいう事がわからないやつは馬鹿なんだから敗北を認めて俺の命令を黙って聴け精神は近年も生き残っていて、日本ではやたら外国語を使う亜種がはびこっているようです。2019/04/01

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