内容説明
福島原発の危険性を26年前から警告していた元現場監督・平井憲夫氏。一級配管技能士の資格をもつ配管のプロとして各地の原発工事と定期点検をした平井氏の告発を取材した著者が、原発の危険性を、平井氏へのインタビュー、平井氏と高木仁三郎・原子力資料センター代表との対面、大量被曝した作業員への取材を通じて根本的に問い直す。原子炉と、その冷却のための膨大なパイプの集合体としての原発は、地震にこんなにもろかった。
目次
序章 フクシマとチェルノブイリ
第1章 インナーサークルからの告発者
第2章 「千年に一度の大津波」の欺瞞性
第3章 原子力マフィアという官民一体
第4章 原発の語り部・平井憲夫の活動
第5章 迫られる原発廃絶の決断
巻末資料篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SHINO
2
定期点検するにも被爆覚悟だから大変だなと。それをやらされるのはいつも末端の人たち。地方の人にしたら原発は危険だけど雇用が増えるからと受け入れるのもわかるしな。大企業ばかりが儲かって危険な作業は日雇いが自身の被爆量すらわからないまま解放ってのもすごいな。地方の人たちはせまい地域で暮らすからあからさまに原発批判とかもできないし。原発問題は難しすぎる…電気は必要なのは明確だしね2012/03/21
eyb322
0
東日本大震災から2年が経過しましたが、原発事故はまだ続いていて収束するのかさえ定かではありません。震災当時地震で原発のプラントが壊れたとの報道(解説)?があったと記憶していますが、この本を読むと納得できます。原発が壊れた原因が究明されるまでは再稼働はあり得ないと思わせる一冊です。2013/04/16
omatsu
0
原発プラントで実際に現場監督として働いていた故平井氏の告発がもとになって原発の実態をしるした本です。フクシマの原発が被災したときの内容かと思いきや、そうではありません。そうなのです!フクシマ第一は、あの地震に遭わなくても重大事故を起こす可能性が十分にあったという内容です。それでも再稼働を目指すのか?必ずフクシマの様なシビアアクシデントが再度起こることになると確信しました。2013/02/17