内容説明
いま、老いた親の介護のために仕事を辞めざるを得ない現役世代が急増している。いざというとき、国も行政も何の支えにもならない現実。高齢者を専門とする医師が、すでに起こっている「介護崩壊」の実態を明らかにし、「人生80年」「人生100年」時代に、すべての家族が笑顔で暮らしていくための転ばぬ先の杖を指し示す!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちーたん
14
うちはまさに、遠距離の介護崩壊気味です。なかなか回りに似たような状況の人がいなくて、一人悲しんでいましたが、本で同様の人が出てきて涙が出てしまいました。ただ日本は介護のシステムが後進国だし、対策が合うものがなく、親の意志も尊重するとこのままでは自滅。親の代でなんとか遣り繰り出来たとしても、自分の番の時は尊厳死を願うしかないかもしれません。全ての人が自分事として関心を持ってもらいたいです。2016/08/29
ばちゃ
14
人生をくるわせずに親の「老い」とつきあう、指南書。本当に難しい問題だと思う。2014/11/20
Shimaneko
11
またしても新書あるある的にタイトルと内容の齟齬が。すでに始まっている介護崩壊社会に対する危機感は十分すぎるほど煽られたものの、その中でどう親の老いとつき合っていくかについては、介護保険や成年後見制度など既存のシステムの紹介のみ。これから介護ライフに突入しそうな人向けの入門書だったので、すでに渦中にいる側としては物足りず。しょぼん。2015/02/20
ミッキー・ダック
6
最近、前期高齢者の仲間入りをした自分にとって、田舎においている後期高齢者の両親の介護は頭の痛い問題だった。介護のために会社を辞めたり、自分の生活を失うことは、親には申し訳ないが耐え難いことだ。この本を読んで介護がこれからの日本にとって非常に大きな問題であることを知ることができ、同時に心の整理も出来た。また、自分自身が将来子供たちに迷惑をかけないように早くから準備すべきだということも学んだ。2012/04/01
こんころ
3
在宅介護よりも施設介護のくだりは、私が常日頃考えていることと殆ど一緒。社会保障費の削減目的がホンネなのに、日本人の良心につけこんだ在宅介護推奨の政策にはうんざりしていたので、氏にここまで言っていただけてとても嬉しい。ただ、延長線として、施設での看取りや終末期医療についてももう少し踏み込んで議論していただきたかった。2012/05/14