内容説明
平成23年3月11日に発生した東日本大震災で、われわれ日本人は、巨大地震、津波、そして原子力発電所の事故という「有事」を経験した。この大震災に際して、防衛省は陸・海・空三自衛隊から10万6,000名を動員。現場の部隊、個々の隊員たちは献身的に任務を遂行した。今回は多くのメディアが自衛隊の活躍をクローズアップしたこともあり、国民も自衛隊がどれほど頼りになる存在であるかを実感したはずだ。だが、その「光」の反面、「影」があったことは報道されていない。たしかに、現場の部隊は頑張った。ところが、彼らを支える体制が整っておらず、装備の不足や人的な問題など、多くの欠点が露呈したのだ。軍事ジャーナリストである著者によれば、それは自衛隊の体制が「平時」を想定しており、戦時や、戦時に匹敵する大規模災害といった「有事」を想定していないことに起因するという。いざというときに国家・国民・国益を守るための緊急提言。
目次
第1章 災害派遣で明らかになった問題点<br/>第2章 軍事に強い政治家がいない日本<br/>第3章 自衛隊のいびつな人員構成<br/>第4章 わが国をとりまく戦略的な環境<br/>第5章 起こりうる有事のシナリオ<br/>第6章 実戦を想定していない装備調達<br/>第7章 日本の防衛産業が壊滅する日
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
1_k
2
大筋は正しいし、良書。しかし、私一応関係者で事情は直接知っていますが、針小棒大というか、全くの嘘ではないが一般的でもないことをことさら強調しているようなトーンを強く感じました。いえね、体制や方針として歪というのは事実ですよ。私もそれは問題だと思いますし。でも、第三者が当事者から聞きだした表面的な話をすべて鵜呑みにして、当然そこから抜け落ちているであろう情報は無視して一方的に書き立てている所は本書の価値、ひいては論自体を貶めてしまっている。工学的な技術面での理解も表層的で理解が浅い部分が見られるのは残念。2012/03/11
ぱる
0
2012年の初版なので、安保法制度以降の問題点は分からないが、自衛隊が軍隊では無いという事はこれを読めば大体分かる。軍隊としての体裁すら整えていないのであるから。自衛隊を認める、認めないに関わらず、自衛隊の問題点を考える上でも参考になる本である。2016/10/04
たかひー
0
★★★★2012/11/23
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