内容説明
路上や寺社の境内で商売をしている専業的な露店商である「テキヤ」とはどのような職業であり、ルールや縄張り、集団の性格はどのようなものなのか-。不安定な生業を継続させるために慣行を作り上げ、それを伝統として商いをする彼らの実態に、スカイツリーでにぎわう東京・墨東地区などでの詳細なフィールドワークから迫る貴重な成果。
目次
序章 露店のなかへ
1 本書の目的
2 墨東地域の露店商い
3 研究対象
4 露店商の研究史
5 研究方法とその限界
補足 用語リスト
第1章 テキヤの社会――集団構造とその維持原理
1 集団構造と親分子分関係
2 集団維持原理
3 集団構造とその維持原理の特徴
第2章 一人前の商人になる――名乗り名の継承方法と機能
1 名乗り名の性質
2 名乗り名を告げる挨拶
3 名乗り名の機能
4 露店商いと名乗り名
第3章 縄張りを使う――商圏の運用と地域社会
1 縄張りをめぐるしきたり
2 「なわばり」と「すみわけ」
3 「なわばり」の運用と地域社会
4 地域住民と「なわばり」
5 賑わいをつくりだす「なわばり」
第4章 備忘録テイタを読む――記録される祝祭空間
1 テイタの内容
2 テイタを読む
3 露店商の慣行と記録
終章 民間伝承の力
1 調査協力者
2 テキヤはヤクザなのか
3 東京会の「伝統」の文化的特徴
4 テキヤ稼業のフォークロア
資料1 御神絵
資料2 子育地蔵尊縁日再開許可願
資料3 GHQ占領期における露店商の活動を示す資料(東京都調布市野口家史料)
初出一覧
あとがき
感想・レビュー
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oldman獺祭魚翁
新井徹
Kaname Funakoshi
onepei
よもぎ