テキヤ稼業のフォークロア

個数:1
紙書籍版価格
¥3,300
  • 電子書籍
  • Reader

テキヤ稼業のフォークロア

  • 著者名:厚香苗
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 青弓社(2014/03発売)
  • ポイント 30pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787220455

ファイル: /

内容説明

路上や寺社の境内で商売をしている専業的な露店商である「テキヤ」とはどのような職業であり、ルールや縄張り、集団の性格はどのようなものなのか-。不安定な生業を継続させるために慣行を作り上げ、それを伝統として商いをする彼らの実態に、スカイツリーでにぎわう東京・墨東地区などでの詳細なフィールドワークから迫る貴重な成果。

目次

序章 露店のなかへ
 1 本書の目的
 2 墨東地域の露店商い
 3 研究対象
 4 露店商の研究史
 5 研究方法とその限界
 補足 用語リスト

第1章 テキヤの社会――集団構造とその維持原理
 1 集団構造と親分子分関係
 2 集団維持原理
 3 集団構造とその維持原理の特徴

第2章 一人前の商人になる――名乗り名の継承方法と機能
 1 名乗り名の性質
 2 名乗り名を告げる挨拶
 3 名乗り名の機能
 4 露店商いと名乗り名

第3章 縄張りを使う――商圏の運用と地域社会
 1 縄張りをめぐるしきたり
 2 「なわばり」と「すみわけ」
 3 「なわばり」の運用と地域社会
 4 地域住民と「なわばり」
 5 賑わいをつくりだす「なわばり」

第4章 備忘録テイタを読む――記録される祝祭空間
 1 テイタの内容
 2 テイタを読む
 3 露店商の慣行と記録

終章 民間伝承の力
 1 調査協力者
 2 テキヤはヤクザなのか
 3 東京会の「伝統」の文化的特徴
 4 テキヤ稼業のフォークロア

資料1 御神絵
資料2 子育地蔵尊縁日再開許可願
資料3 GHQ占領期における露店商の活動を示す資料(東京都調布市野口家史料)

初出一覧

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

oldman獺祭魚翁

1
図書館 基本的に「テキヤはどこから来るのか」と内容は変わりませんが、こちらは博論だった様で内容的にかなり専門的な見方をしています。 2014/06/08

新井徹

1
“見慣れた場所をいつもとは違う空間に変えてしまうテキヤ、彼らは折口信夫がいう「まれびと」のようでもある”というくだりがある。一方で“テキヤが珍しい存在ではなく地域社会を構成する人びとであることに気がつく”とも。ヤクザでもカタギでもないテキヤは、坂口恭平の言葉を借りれば、既成の社会システムの中で独自のレイヤーを築いている人びと、と言えるだろう。それにしても、このフィールドワークはすごい!テキヤに落語のネタ帳みたいなテイタっていう備忘録があるなんて。テキヤが活躍出来ない社会はきっと住みづらい社会なんだろうな。2012/08/18

Kaname Funakoshi

0
無関係の人からは見えないテキヤの社会の仕組みをカタギの女性が調査した結果。関東のテキヤを対象とし、名の呼び方、ナワバリとショバ、店割り、カタギとの関係、ヤクザとの関係などが分かりやすく書かれている。実際の血縁を廃しているところや外部にその人間関係を見せないところなどから、テキヤとは職業的秘密結社のようなものかもしれない。2014/11/19

onepei

0
実子が継ぐのはあまり歓迎されない、など別の興味深い社会があった。2014/05/19

よもぎ

0
普段何気なく行っているお祭りに出店しているテキヤ稼業の人たちがどんなルールにしたがってどのように動いているかがわかってとてもおもしろい。名乗り名や名づけ名、擬制親子関係など独特の習慣が興味深い。フィールワークの際に留意しておくべき点についても触れられていてよかった。2013/05/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4651867
  • ご注意事項