内容説明
朝日新聞の名物シリーズ「ニッポン人・脈・記」――そのなかでもダントツの人気を博した連載が、完全版になって登場! おカネがなくても日本で一番幸せな人々――生き生きと暮らす群像を活写し、その秘密に迫る。雨露しのげて友があれば、この国はパラダイス!!
目次
ドヤ街の漫画家
さすらいのピアノマン
野垂れ死にはさせない
自己責任論との闘い
ホームレス襲撃を止める人たち
闘う神父
日雇いの子に生まれて
子どもの目の輝きに魅せられて
人生は、いつからだってやり直せる
ここはドヤやない、家や
貧乏なんかに負けへんで
表現すること生きること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
44
朝日新聞「ニッポン人・脈・記」連載のルポタージュ。…読メで知り、地元図書館になく取り寄せてもらった一冊です。関東で生まれ育ったので「あいりん」は名前しか知らない土地ですが、大阪市長の改革計画にこの土地も加わっている(?)と聞き、気になっていました。さらに、「非正規雇用で仕事をつなぎ、ネットカフェで寝泊まりする生活」と、いわゆる山野や釜ヶ崎で暮らしてきた人と、何が違うのかとも思っていたので、これはまさに疑問に答えてくれるような内容でした。釜ヶ崎を支えてきたのが色々な宗教団体や人というのに考えさせられました。2014/11/21
八百
12
興味を持ったのは「山谷泪橋〜ドヤ街の自分史」30年前の本である。以降「山谷やられたらやりかえせ」が映画化され血生臭い論争を巻き起し…そして本書を手にした今思うこと、我々のすぐ隣にある転落、そして堕ちたら最後再起への道を臭いものに蓋をするかのように閉ざしてしまうこの国の仕組みは何も変わっちゃいないということだ。しかしそうはさせまじと戦う人たちの物語、ドブから流れ着く先の海へと引き波が如く誘う人々がここにいる。あれやこれやと能書き垂れてないでまずは行動しなければと思わせる本。一歩を踏み出す勇気が世の中を変える2014/06/29
makimakimasa
8
古本バザーで題名と表紙のセンスに一目惚れして購入。著者は1990年の暴動で初めて釜ヶ崎を取材し、その強烈な体験から、いつか改めてこの街と人の話を「書きたい」と思ったという。本書の方向性が定まった2008年大不況の年末は、自分も釜ヶ崎で越冬闘争(炊き出しボランティア)に参加した。本書に登場する「こどもの里」にも訪問した覚えがある。「ドラマの塊のような街」「さまざまな人たちが流れ着き、住む街」―困難な状況を生きるからこそ感じる人の情、そんな日本の異世界の魅力が存分に書き記された珠玉のドキュメント。2018/11/26
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
6
バイブルとする。自分がなぜ西成に惹かれるのか、わかった気がする。自分に足りないものはなにか、わかった気がする。2014/11/04
日の丸タック
6
人間世界の縮図。 誰もが背中合わせの世界❗️決して特別な世界でも、他人事の話でもない。 怠け者でも、仕事嫌いなだけでもない… そこに人間臭さと人情を感じる。 向き合うピュアな心と感性に心揺さぶられた。 決して対岸の火事ではなく、明日は我が身… 釜ヶ崎…魅惑の街かもしれない。2014/10/12